1. ホーム
  2. 経済
  3. 被災地での教訓をビジネスに フードサーバーなど開発、横浜の企業が決意新た

被災地での教訓をビジネスに フードサーバーなど開発、横浜の企業が決意新た

経済 神奈川新聞  2016年06月05日 10:18

温かい食事を素早く提供できる製品「デリシャスサーバー」と生田社長=横浜市西区
温かい食事を素早く提供できる製品「デリシャスサーバー」と生田社長=横浜市西区

 熊本地震を受けて、災害時に役立つ商品開発や震災復興に力を入れようと、決意を新たにしている若手経営者がいる。テクノシステム(横浜市西区みなとみらい)の生田尚之社長(42)は「人が生きていくのに必要な水、食べ物、電気を扱う会社として災害時や地域のニーズをすくい取り、支援を続けていきたい」と話す。

 4月14日の地震発生直後。生田社長ら同社スタッフは大型トラックに物資を積み被災地入りした。

 城西小学校(熊本市西区)などでの支援活動で威力を発揮したのが、特許を持つフードサーバー。カレーやパスタの具材の量を均質に素早く提供できる機器で、約3千食を振る舞った。「まだ夜は寒かったので温かい食事は喜ばれた」と生田社長。

 同社と熊本のつながりは4年前にさかのぼる。流通せず廃棄されるふぞろいの農作物をサーバー用の食材に活用しようと現地で商談していた。直後、土砂崩れや河川氾濫で大勢が犠牲となる豪雨災害が発生。すぐさま支援に乗り出したのが縁だ。

 その後、熊本に九州支店を構え、大型太陽光パネルの発電事業に注力、再生可能エネルギー供給で会社は急成長を遂げた。さらに、パネル下の土地を生かした酪農や農業のほか、森林から出る不要な間伐材を使うバイオマス発電の事業化を目指すなど熊本は重要なビジネス拠点となっていった。

 地震が起きたのは、さまざまな事業が進行していたさなか。「2日前も商談で現地にいた。幸い知り合いで亡くなる人はいなかったが、酪農などは大打撃を受けた」

 一も二もなく駆けつけたが、課題にも直面した。自社製の携帯型淡水化装置を持ち込み、プールの水を浄化、飲料水にしようとしたが、現地の水質検査をクリアしなければいけないことが判明。「隣県の保健所で対応するとか災害時こそ迅速に行える環境づくりが必要」と痛感した。

 支援活動の中で得られた課題やニーズは今後の事業にも生かしていく。いま念頭に置くのは、太陽光パネルを取り付け、淡水化装置やフードサーバーといった自社製品を1台に詰め込んだ災害対策用トラックの開発だ。

 生田社長は「農業や酪農、間伐材の発電事業などをやっていけば地域雇用につながる。継続的に支援できるよう経営基盤をしっかり固めていきたい」と話している。


シェアする