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食中毒から熊本守れ 短時間で原因菌特定

社会 神奈川新聞  2016年05月28日 02:00

共同開発した食中毒などの検査システムを熊本へ貸与する市健康安全研究所の岡部所長(左)と東芝メディカルシステムズの後藤部長 =川崎市役所
共同開発した食中毒などの検査システムを熊本へ貸与する市健康安全研究所の岡部所長(左)と東芝メディカルシステムズの後藤部長 =川崎市役所

 川崎市と東芝メディカルシステムズは27日、熊本地震の被災地支援として、共同開発した食中毒の原因菌を判定する「DNA検査システム」を貸与すると発表した。食中毒が多発する夏を前に短時間で原因菌を特定できるシステムを活用してもらおうという試みだ。

 研究のきっかけは2011年の東日本大震災。避難所などでの迅速な食中毒原因菌検査の必要性を痛感し、行政と地元に拠点を置いていた企業が手を組むこととなった。本格的な共同開発は13年4月から。市健康安全研究所は原因菌の優先順位やその特定に必要な精度を高めるための知見を提供、東芝メディカルはDNA検査に関する特許を応用し、主な原因菌14種を約2時間で特定できるシステムを昨年1月に完成させた。

 熊本地震を受け、市健康安全研究所の岡部信彦所長が「こういうときこそ」と東芝メディカルに協力を打診。同社が快諾し、5月末から半年程度貸与することが決まった。

 菌の確定は法的に定められた工程だと5日程度かかる。岡部所長は「現地はただでさえ人手が足りないからこそ、迅速かつ簡便に確度の高い特定ができるシステムが有効。菌の拡散を防げるし、不安を和らげることもできる」と話す。

 1台800万円のシステム2台を、熊本市と県の衛生研究所に貸与する。

 同社分子検査ソリューション事業推進部の後藤浩朗部長は「東日本大震災の被災地を目の当たりにし、何かできないかと思って開発してきた。これが活躍する場がないことが一番だが、少しでも役立てば」と語った。


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