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6月5日にデモ予告
ヘイトデモ申請不許可を 市民団体、川崎署に要望書

社会 神奈川新聞  2016年05月27日 02:00

要望書を手渡す「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」のメンバー =川崎署
要望書を手渡す「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」のメンバー =川崎署

 在日コリアンを標的にヘイトスピーチ(差別扇動表現)を繰り返している男性が6月5日に川崎市川崎区でデモを行うと予告している問題で、市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は26日、男性のデモ申請を許可しないよう求める要望書を川崎署に提出した。 
 
 面会を終えた同団体の三浦知人事務局長(61)は「ヘイトスピーチ解消法という形で示された国会の意思を反映し、警察としてもやめさせてほしいと要望した」と話した。桑原明夫副署長からはデモ申請に対し「市とも連携し、法にのっとり適切に対処したい」との返答があったという。

 県議、市議、畑野君枝衆院議員(共産党)らと同行した有田芳生参院議員(民進党)は「国レベルの判断となり、不許可とする可能性もあるとの言葉があった。新たな法律ができ、状況は以前とは違う。世論を高めれば、ヘイトデモを止められる」と強調。

 昨年11月、今年1月と2度のヘイトデモに襲われた川崎市川崎区桜本で暮らす在日コリアン3世の崔(チェ)江以子(カンイヂャ)さん(42)は「法律ができたのにヘイトデモが来たら、桜本の子どもたちは絶望する。二度とヘイトスピーチに触れさせないよう、助けてくださいとお願いした。目を見てしっかり聞いてくれたので、届いたと思う」と話した。

ヘイト解消法 趣旨明確に
全会一致で決議可決参院委




 ヘイトスピーチ解消法の成立を受け、法案の審議に当たってきた参院法務委員会は26日、「同法は、国連の自由権規約委員会、人種差別撤廃委員会などからの要請をも踏まえたものである」などとする委員会決議を全会一致で可決した。

 同法は解釈基準を示す付帯決議がつけられているが、具体的な表現を盛り込んだ委員会決議で趣旨をより明確にした。

 同法は「被害を受けている方々の集住地区の視察などをも踏まえて真摯(しんし)な議論を重ねた結果」であるとし、ヘイトデモの標的となった川崎市川崎区桜本の在日コリアンの訴えを受け止めたものであることを示した。その上で「ヘイトスピーチは難民申請者、オーバーステイ、アイヌ民族に対するものなど多岐にわたる。あらゆる人間の尊厳が踏みにじられることを決して許すことはできない」と強調した。

 引き続き、実態調査や国会論議が必要として「私たちは、差別のない社会を目指して不断の努力を積み重ねていくことを、ここに宣言する」と政治の責任を示した。

委員会決議全文


 「ヘイトスピーチの解消に関する決議」は次の通り。

 「ヘイトスピーチ、許さない。」

 ヘイトスピーチ解消の啓発活動のために法務省が作成したポスターは、力強くそう宣言する。

 従来、特定の民族や国籍など本人の意思では変更困難な属性を根拠に、その者たちを地域社会ひいては日本社会から排除しようという言動であるヘイトスピーチについて、それが不特定多数に向けられたものの場合、法律の立場は明確ではなかった。

 しかし、個人の尊厳を著しく害し地域社会の分断を図るかかる言論は、決して許されるものではない。このため、本委員会において、ヘイトスピーチによって被害を受けている方々の集住地区の視察などをも踏まえて真摯な議論を重ねた結果、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する法律、いわゆる「ヘイトスピーチ解消法」が、5月12日に本委員会で全会一致、13日の本会議において賛成多数で可決され、24日の衆院本会議において可決・成立した。同法は、国連の自由権規約委員会、人種差別撤廃委員会などからの要請をも踏まえたものである。

 平成32年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた共生社会の実現のためにも、ヘイトスピーチの解消に向けて取り組むことは、党派を超えた喫緊の重要課題である。今般成立したヘイトスピーチ解消法は、ヘイトピーチの解消に向けた大きな第一歩ではあるが、終着点ではない。引き続き、法務省の「外国人の人権状況に関する調査」を始めとする実態調査や国会における議論等を通じて立法事実を明らかにしていくことが、私たちに課せられた使命である。

 全国で今も続くヘイトスピーチは、いわゆる在日コリアンだけでなく、難民申請者、オーバーステイ、アイヌ民族に対するものなど多岐にわたっている。私たちは、あらゆる人間の尊厳が踏みにじられることを決して許すことはできない。

 よって、私たちは、ヘイトスピーチ解消及び被害者の真の救済に向け、差別のない社会を目指して不断の努力を積み重ねていくことを、ここに宣言する。


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