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障害児支援、質向上へ 横浜市放課後等デイサービス

政治行政 神奈川新聞  2016年05月22日 11:54

 障害のある子どもを放課後や長期休暇中に預かる「放課後等デイサービス」の質向上を目指し、横浜市は市内の事業所に向けたガイドラインを策定した。この4年で事業所数が10倍近くに急増し、支援の質に開きが生じている状況を踏まえ、国が昨春まとめたガイドラインを基に独自の実例や具体的解釈を明示した。県内初の事例で、全国でも珍しい取り組みという。

 市が新たに策定したガイドラインに盛り込んだのは、サービス提供の基本的姿勢をはじめ、必要な組織運営や緊急時の対応、法令順守など。民間の多岐にわたるサービスが参入している市特有の事情も踏まえ、国の規定では「積極的に図る」としている学校との連携を「必須」に位置付けた。

 また、開設しない場所として、地下や窓がない▽5階以上の高層階▽非常時に2方向避難ができない▽トイレが共用▽風俗店から半径200メートル以内-と明記。安全面などを考慮し、小規模保育事業の基準を参考に国基準を上回る具体的条件を示している。

 このほか、正規職員に対する年1回以上の外部研修の参加、事業所には毎月1回程度の内部研修の実施なども求めた。各内容は利用者から寄せられた意見を反映させており、いずれの項目も違反した場合の罰則は設けていない。

 市内の放課後等デイサービス事業は、サービス開始時の2012年4月に18カ所だった事業所が、ニーズの高まりを受けて今年4月時点で172カ所に増加。障害児を対象とした支援事業の経験がない民間企業なども参入しており、「支援の質に開きが生まれている」(市担当者)のが現状という。

 ガイドラインはA4判56ページ。市は市内の事業所に配布して実地指導の際に活用するほか、利用者向けにホームページでも公開している。市障害児福祉保健課は「よりよい支援のため、各事業所で活用してほしい」としている。

事件教訓に安心利用




 「誰もが安心して利用できる場に」-。横浜市が放課後等デイサービスのガイドラインを独自に策定した背景には、問題が表面化しにくい障害児支援の現場で、質の確保を求める保護者の声があった。

 市内の事業所では2014年、職員の男が知的障害のある複数の女児に下半身を触ったりカメラ付き携帯電話で撮影したりした事件が発覚。被害女児の1人が保護者に訴えて職員は逮捕されたが、約3カ月間にわたって繰り返された犯行を周囲は見抜けず、事件を防げなかった。

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