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愛されるビールに 金沢文庫に醸造所&バー

話題 神奈川新聞  2016年05月08日 02:00

ビールの仕込みをする荒井さん(右)と高橋さん=横浜市金沢区
ビールの仕込みをする荒井さん(右)と高橋さん=横浜市金沢区

 横浜市金沢区に4月、ビール醸造所が誕生した。その名も「南横浜ビール研究所」。地元の市立金沢高校の同級生である高橋慎太郎さんと荒井昭一さん=ともに(47)=がタッグを組み、ビールの醸造技術をゼロから習得。自分たちの手掛けたクラフトビールを提供するバーもオープンした。構想から約2年。大きな一歩を踏み出した2人は「地元の人たちに愛されるビールにしたい」と意気込む。

 京急線金沢文庫駅近くで焼き鳥店を営む高橋さん。数年前に訪れたベトナムではビアホイと呼ばれる屋台が多数あり、小規模の醸造所で製造されたクラフトビールが気軽に飲まれている様子を見て、自分もと志した。「競争の激しい業界。ほかではやっていないことをやらなければ、と」

 高校時代はあまり交流がなかったという2人だが、荒井さんが焼き鳥店へ客として通ううちに意気投合、高橋さんがビール造りを持ち掛けた。折しも、荒井さんの勤めていた金属加工会社が廃業寸前の時期だった。

 荒井さんは言う。「お互い家族もいて、リスクが伴うのは確か。が、実直な経営者としての彼を見てきたので、迷いはなかった」

 とはいえ、道のりは「想像以上に大変だった」。酒類の製造免許を取得するには、設備の状況や収支の見込み、製造技術責任者の研修実績などを証明する書類が求められる。特に、醸造技術に関して全くの素人だった2人は、教わる場所探しから苦戦。偶然、「羽田ブルワリー」(東京)が免許取得を目指す人の開業支援をしていると聞き、「わらにもすがる思い」で連絡、荒井さんが数カ月間の研修を受けながら文献を読みあさり、知識を蓄積した。

 「おいしいビール造りに必要なのはロジック(論理)。適切な温度、配合を守ればおのずと良い物が出来上がる」。醸造責任者となった荒井さんはものづくりに通じる奥深さがある、と感じている。2~3年かかることもある中、国税局への申請から1年たたずに免許を取得できた。

 同研究所は金沢文庫駅西口の2階建て民家を改装した。1階が醸造所で、2階のバーでは「ペールエール」など、常時4~5種類を提供。価格はグラス1杯500円ほどに設定した。

 「華やかな香りとうま味が特徴。目指すのは初めて飲む人にも分かりやすく、おいしいと感じるクラフトビール」と荒井さん。高橋さんは「安くてうまいと、地元の人が自慢できるビールでありたい」と話す。

 同級生の多くは都内などで暮らし、地元にいない。2人は、同研究所が離れた仲間を結び付ける存在となると同時に、街のにぎわいにつながることを願っている。

 問い合わせは、同研究所電話045(781)5055。


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