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介護とアート一体化 美術家・折元立身さん川崎で個展

カルチャー 神奈川新聞  2016年05月07日 12:04

母の車いすを押して会場を回る折元立身さん=川崎市市民ミュージアム
母の車いすを押して会場を回る折元立身さん=川崎市市民ミュージアム

 パフォーマンス・アーティストとして国際的に活躍してきた川崎市在住の美術家、折元立身さん(69)の大規模な個展「生きるアート 折元立身」が、川崎市市民ミュージアム(同市中原区)で開催中だ。介護する母をテーマに据えるなど、生活そのものをアートにした写真や映像作品約190点が並ぶ。

 作品の特徴は、ユニークな発想にある。1990年代には、顔一面にフランスパンをつけて世界各地の人々と交流する「パン人間」の路上パフォーマンスで注目された。

 アルツハイマー病の母、男代(おだい)さん(97)が登場する「アート・ママ」シリーズでは、介護という日常をアートと一体化させた作品作りに取り組んだ。巨大な靴を履いた路上の母といった印象的な写真が並ぶ。

 夜中に起きて排せつの世話をするなど大変なこともある。「おむつを替えるのは闘いのようなもの。思いやりだけではだめで、ベーシックには愛と暴力がある。だから作品にリアリティーが出る」と折元さん。

 会場ではこうした代表作や、人間のさまざまな姿態を自由な筆致で描いたドローイングを大量に展示。これまでの歩みを振り返った折元さんは「僕は感覚だけでやってきた。日本では理論が優先だが、感性は天才のもの。川崎にこんな天才が生まれてごめんなさい」とちゃめっ気たっぷり。「すごい展覧会になっちゃった。2回、3回と見に来てほしい」と来場を呼び掛けた。

 7月3日まで。月曜休館。一般700円、65歳以上と高校・大学生600円。5月14日午後2時から折元さんによるギャラリーツアー、6月11日午後2時から新作パフォーマンス「車いすのストレス」の発表を行う。問い合わせは、同ミュージアム電話044(754)4500。


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