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「港南台モデル」を 高島屋港南台店・最年少店長

経済 神奈川新聞  2016年05月04日 14:43

食料品売り場の従業員が着用する白衣を身にまとい毎日全フロアを巡回する中川店長 =高島屋港南台店
食料品売り場の従業員が着用する白衣を身にまとい毎日全フロアを巡回する中川店長 =高島屋港南台店

 高島屋港南台店(横浜市港南区)に同店史上最年少の店長が就任した。40歳の中川徹店長。3月1日の着任以来、売り場を欠かさず巡回するなど現場に軸足を置く。目指すは「誰もがわくわくする店づくり」。新しい風を吹かせ、地域密着の「港南台モデル」を確立しようと奔走している。


 「エレベーターもうすぐ来ますか」「もう少々お待ちくださいね」。年配の来店客の問いに丁寧に応じる。日常の光景だ。品ぞろえやサービスの要望、時に苦情もダイレクトに受ける。「お客さまとの会話は宝の山」。店に必要なものは何か、ヒントであふれているという。

 それは従業員とのコミュニケーションでも同じ。朝昼夜の3回、各回1時間かけて地下1階~地上5階の売り場を丹念に回り、資料では拾いきれない生の消費動向を教えてもらう。販売員らも仕事上の困り事や意見を直接店長に伝えることができ、風通しの良い職場環境が生まれている。

 目指すのは、従業員と客が一体となって店舗づくりに参画すること。港南台店のような郊外型は大型店に比べエリアの人口減や高齢化といった課題を抱え、インバウンド(訪日外国人客)の恩恵も少ない。港南台店の売上高と来店客数は年々微減傾向にあり、「知恵と工夫で補っていかないといけない」のが現状だ。

 そこで強みとなるのが、客と従業員の距離の近さ。小規模ゆえに品ぞろえなどの需要を素早く把握し、翌日に店頭に反映させることもできる。小回りの利いた運営は客にとっても変化を実感しやすく、より地域に根差した特徴ある店舗が実現できる。

 1983年10月、住宅開発が進む港南台エリアでファミリー層をターゲットに開業した同店。当時の父母世代だった60歳以上のシニア層が現在のメイン顧客で、全体の6割以上を占めるという。就任後1年を「構造改革の年」と位置づける中川店長は、今後は3世代の取り込みを強化し、店の活性化を図りたいとしている。

 秋には4・5階部分に家具大手ニトリの出店を控え、今月は屋上にバーベキュー場がオープン。幅広い年齢層や新たな顧客の獲得に期待がかかる。「既存のお客さまには新たな楽しみを、高島屋に来たことがなかった人には百貨店の魅力を提供したい」

 重責をものともせず「充実感でいっぱい」と初の店長職を楽しむ。「お客さまとともに港南台を盛り上げたい。郊外店の再生のモデルとして、他店にも波及させていくのが目標」と力強く語った。

 なかがわ・とおる 1998年高島屋入社。横浜店の婦人靴売り場などで販売を経験した後、売り場マネジャーやセールスリーダー、バイヤー、シニアマネジャーなど歴任。3月から現職。慶応大卒。鎌倉市出身。


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