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覚醒剤使用の元葉山町議 きょう初公判

社会 神奈川新聞  2016年04月27日 02:00

横浜地裁
横浜地裁

◆身分保障 辞職の壁に
 覚せい剤取締法違反(所持・使用)の罪に問われた元葉山町議細川慎一被告(41)の初公判が27日、横浜地裁で開かれる。罪を認めながらも辞職勧告に応じない被告に対し、町議会は町内に居住実態がないとして失職させる決定を下した。議員バッジの正当性を巡る両者のせめぎ合いは、司法判断で最終決着となるのか-。逮捕後、初めて公の場に立つ「選良」の言動に関心が集まっている。

 横浜市内で覚醒剤を所持したとして、2月16日に現行犯逮捕された細川被告。町議会は直後に辞職勧告決議案を全会一致で可決したが、被告は議会に欠席届を提出し、勧告には応じないまま。逮捕・勾留など身柄を拘束されている間の議員報酬と期末手当の支給を差し止めるために改正した条例も3月10日の保釈後は適用されず、月額40万円の議員報酬は支払われていた。

 その後も出処進退に関する明言を避け続ける被告に対し、町議会は“強硬手段”に。刑事事件に問われた法的責任を追及するのではなく、保釈期間中の居住地に絡み被選挙権が途切れたとして「議員資格なし」と結論付け、失職させた。ただ、被告はこの決定も不服として今月19日付で知事に審査を申し立てており、最終決着には至っていない状況だ。

 「町と議会の名誉を傷つけ、町議会に対する町民の信頼を著しく失わせる極めて重大な問題」として議員辞職を迫る議会側と、法を犯したことを認めて謝罪した上で「今後の議員活動は判決が出た上で考えを決めたい」とする細川被告。法に基づく議員の身分保障が、時として有権者の理解を得られない状況となっていることに、ある議会関係者も「痛しかゆし」と漏らす。

 そもそも推定無罪の原則は、地方議員の身分をも保障しているのか-。公選法で職を失うと規定しているのは「禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者」。言い換えれば、有罪判決を言い渡されても執行猶予が付けば失職せず、禁錮以上の実刑でも控訴するなどして裁判が行われている間は、議員バッジは外さずに済むという。

 こうした現状に、地方政治に詳しい山梨学院大大学院の江藤俊昭教授は「議会の懲罰には限界がある。被選挙権の有無で失職させるのも微妙なやり方」とした上で、政治倫理条例での規範化の重要性を強調。「反社会的な行為をした議員には辞職を求められるとか、強制力はなくとも宣言しておくべき。それが“砦(とりで)”になる」と指摘し、こう続けた。「最終的にはこの議員を選んだ住民に降りかかってくる問題。主権者としての責任も問われている」


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