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基地騒音訴訟の記録共有 厚木の原告団が方針

社会 神奈川新聞  2016年04月25日 02:00

 日米が共同使用する厚木基地(大和、綾瀬市)の航空機騒音解消を目指す第4次訴訟の原告団(金子豊貴男団長)は、一連の訴訟記録を保存する「調査研究センター」(仮称)を立ち上げる方針を決めた。全国6市で起こされている基地訴訟の七つの原告団が、横断的に訴訟資料を共有できる仕組みづくりを目指す。

 1次訴訟の提起から40年が経過し、記録の体系化が必要と判断した。2017年ごろとされる米空母艦載機の岩国基地(山口県)移駐を見据え、騒音の変化を比較検証できる資料を蓄積する狙いもある。

 原告団は15年7月の控訴審判決で確定した82億円の賠償金のうち、1億円を今後10年の騒音調査の研究費に充てることで合意。将来的にセンターを法人化して原告団から独立させ、訴訟が終結するたびに途切れていた調査研究を継続化する。

 全国の基地訴訟では、厚木は4次訴訟で従来の民事訴訟に加え、全国で初めて行政訴訟を提起。普天間(沖縄県)は米軍ヘリコプターの低周波音による健康被害を訴え、10年の控訴審判決で因果関係が初めて認められた。小松(石川県)は、航空自衛隊の戦闘機騒音による住民の健康影響調査を証拠提出している。

 センターは、各地のこうしたノウハウを横断的に共有できる機能を担う見通しで、訴訟記録のデータベース化も検討されている。厚木側から、9月に開かれる6市7訴訟の原告団連絡会議で協力を呼びかける。金子団長は「互いの強みを補強し合うことで、それぞれの訴訟を有利に進められるようにしたい」と期待する。

 最大の騒音発生源である米軍機の飛行差し止めの訴えは、米軍運用に日本の法支配は及ばないとする「第三者行為論」により、一連の訴訟で繰り返し退けられており、センターで日米地位協定に詳しい若手研究者の発掘や育成にも着手する方針だ。

 厚木の第4次訴訟をめぐっては、東京高裁の控訴審判決で自衛隊機の限定的な飛行差し止めと、将来被害の損害賠償が初めて認められた。原告と被告の国側双方が最高裁に上告し、係争が続いている。弁護団側も3月に7訴訟の連絡会を結成し、連携を強めている。


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