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三浦や県西部に集中 直下型地震起こす活断層

社会 神奈川新聞  2016年04月23日 02:00

 活発な地震活動が広範囲で続く熊本地震は、23日でマグニチュード(M)7・3の「本震」から1週間となった。隣接する複数の活断層で地震が連鎖的に発生しているが、同様に活断層が集中する地域は神奈川県内にも存在する。県西部や三浦半島では今回のような直下型地震が起きる恐れがあり、地表面に食い違いが生じる危険性もある。

 活断層の調査は、6400人以上が犠牲になった1995年の阪神大震災を機に全国で進められ、これまでの成果から神奈川は関東地方の中でも活断層の密度が高い地域とされている。

 特に目立つ県西部には、JR御殿場線に沿うように延びる「国府津-松田断層帯」、その北側の松田、開成町などに分布する「平山-松田北断層帯」、山北町から静岡県御殿場市に至る「塩沢断層帯」が存在する。

 これらはかつて「神縄・国府津-松田断層帯」として一体的に捉えられ、M7・5の大地震を起こすと考えられていたが、政府・地震調査委員会は昨年4月、新たな知見を基に評価を大幅に修正。三つの断層帯に区分し、別々に地震を起こすと判断した。

 神縄・国府津-松田断層帯の今後30年以内の地震発生確率は最大で16%と見積もられ、日本の主な活断層で最も高かった。しかし、評価の見直しにより、塩沢断層帯は今年1月時点で4%以下、平山-松田北断層帯は最大0・6%に変更。国府津-松田断層帯は、この地域に沈み込んでいるプレート(岩板)の境界(相模トラフ)から枝分かれした分岐断層と位置付けられた。相模トラフで繰り返す関東大震災級の巨大地震発生時に一緒に動く場合があるものの、単独では地震は起こさないとの判断だ。県西部にはこのほか、静岡県が中心の「北伊豆断層帯」の一部もある。

 県央部をほぼ南北に貫く「伊勢原断層」は、M7・0程度の大地震を起こすと考えられている。ただ、過去の活動は未解明な点が多く、地震調査委が評価した最新の活動時期は5~18世紀と明確に絞り込まれていない。30年以内の確率も最大で0・003%と低い数値となっている。

 三浦半島も県西部と並んで活断層が多く、横須賀市や三浦市などに複数の断層が半島を横切るように平行して延びている。これらをひとまとめにして「三浦半島断層群」と呼ぶが、活動は南部と北部で異なると解釈されている。

 主に横須賀市内に存在する三浦半島断層群主部は、衣笠・北武断層帯と武山断層帯で構成。三浦市内に分布する三浦半島断層群南部には、南下浦断層や引橋断層がある。

 南部の最新活動は2万数千年前とされるが、活動の間隔は分かっていない。主部のうち北側の衣笠・北武断層帯の活動は6~7世紀と三浦半島では最も時代が新しい。武山断層帯はおおむね2300年前以後~1900年前以前に活動し、1600~1900年間隔と評価されている。このため30年以内の発生確率は武山の6~11%が県内で最も高く、日本の主な活断層の中でも上位となっている。

 活断層は繰り返し地震を起こすものの活動間隔が長いため、次の地震がいつかは分からない点に対策の難しさがある。県温泉地学研究所前所長の吉田明夫・静岡大客員教授は「関東大震災級が再来すれば、それが引き金となり、周辺の活断層でも地震が起きる可能性はある」との見方を示す。


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