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大黒に架かる“虹” 国道357号本牧地区開通 外港は物流、内港は観光

横浜みなと新聞 神奈川新聞  2016年04月18日 16:04

テープカットし、くす玉を割って開通を祝う出席者=3月27日、横浜市中区本牧ふ頭
テープカットし、くす玉を割って開通を祝う出席者=3月27日、横浜市中区本牧ふ頭

 東京湾岸を巡る国道357号の本牧地区(横浜市中区本牧ふ頭-錦町、2・3キロ)が開通し、横浜港の主な臨港道路がつながった。横浜ベイブリッジ外側に物流機能の集約・効率化が進むとともに、市街地では海上コンテナを運ぶトレーラーの姿が消えつつある。開通をきっかけに横浜港の内港地区(インナーハーバー)の観光開発が一層加速するとの期待も高まっている。

 「横浜港は大黒、本牧、南本牧(の各ふ頭)が結ばれ、効率的に大きな役割を果たしていきます」

 3月27日。開通式が開かれた本牧ふ頭で菅義偉官房長官は横浜港の国際競争力をさらに高める上で国道357号は極めて重要な道路だと強調した。

 海上コンテナターミナルは大黒、本牧、南本牧の各ふ頭に整備されており、横浜港での取り扱い個数は全国有数の規模を誇る。各ふ頭は国内外のさまざまな港と定期航路があるため、目的地によって港内でコンテナを積み替える作業が多く、高い効率性が求められてきた。

 今回の開通によりこれまでに比べて通過する信号機の数が減るため、南本牧と大黒間の輸送時間は約14分となり、約20分短縮するという。県トラック協会は「国道357号の本格開通はわれわれの悲願だった。特に本牧と大黒間はコンテナをトレーラーで運ぶ『横持ち輸送』が多かったため、便利で安全に運べるようになった」と話す。


大黒ふ頭につながった本牧地区の国道357号を行き来するコンテナトレーラー=横浜市中区錦町
大黒ふ頭につながった本牧地区の国道357号を行き来するコンテナトレーラー=横浜市中区錦町


 大黒の本牧地区や金沢区からの利便性が高まったことで、事業所や倉庫の従業員にとっても今回の開通は朗報となった。

 横浜港流通センター内のある事業者は「通勤時間が大幅に短縮されましたが、この喜びを共有できる方は少ないでしょうから、小さく喜んでいます」と公式ツイッターに書き込んだ。物流倉庫に勤務する男性は「大黒にようやく本物の虹が架かった」と喜んだ。

 大黒に注目する船会社も現れた。川崎汽船(東京都千代田区)は10月をめどに本牧からコンテナターミナルを移転する。

 大黒は本牧に比べて水深が深く、荷さばきスペースも広いため、コンテナ船の大型化や取扱量の増加に対応できるメリットがある。

 「大黒の交通環境が充実したことが移転の決め手となった」とみる市港湾局は「周辺企業は横浜港に近い立地の良さを一層発揮することができる。国道357号近くに移転する動きが今後も進むだろう」と期待する。

 開通前までは一部のコンテナトレーラーは本牧地区と国道15号や国道1号を行き来するため、中心市街地を通過していた。かつて県庁前の国道は「コンテナ街道」と呼ばれたが、開通後はトレーラーの姿をほとんど見なくなった。

 横浜港振興協会の小此木歌藏副会長は「ベイブリッジの外側が物流機能、内側は観光や集客機能と明確に区分けされ、都市の魅力づくりを戦略的に展開できるようになった」と強調する。

 内港地区ではMICE(国際会議や展示会などの総称)、統合型リゾート施設(IR)などの未来像が描かれようとしている。「インフラ整備は都市の基礎。今回の開通は内港地区の観光開発の動きに刺激を与える」と期待している。



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