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生活保護費265万円盗難 鎌倉市長「職員の意識欠落」

社会 神奈川新聞  2016年04月16日 14:33

生活保護費の盗難について陳謝する松尾市長(中央)ら
生活保護費の盗難について陳謝する松尾市長(中央)ら

 鎌倉市役所内で保管されていた生活保護費265万円が盗まれていたことが15日、分かった。市は県警に被害届を提出し、職員への聞き取り調査を進めている。松尾崇市長は会見で、現金の管理体制や事務処理のずさんさが事件の要因になったとの認識を示し、「職員の税金に対する意識が非常に欠落していると言わざるを得ない」と陳謝した。

 なくなっていることが分かった保護費は、計5世帯に対する2010年7月~15年3月の43カ月分、265万2397円。厚生労働省による監査のため、昨年8月、市生活福祉課で保管していた保護費を確認した際に発覚した。

 保護費は世帯ごとに1カ月分ずつ封筒に入れられ、同課のキャビネットで保管。これらが封筒ごとなくなったり、紙幣だけが抜き取られたりしていた。キャビネットは施錠できるが、共有の鍵は職員の机で保管され、日中は解錠されたままのことも常態化していたという。

 盗難分のほとんどは、対象者の就職や転出などで受給資格を失っていたにもかかわらず、保護停止の手続きが取られずに支給が続いていた分だった。当時の複数の職員は、保護費を渡したように見せかけて架空の領収書などを作成したことを認めており、「国や県の監査があるので、支給したことにした。なぜ現金がなくなったのか分からない」と話しているという。

 市は昨年12月までに、約207万円について窃盗として被害届を県警に提出した。捜査と並行して、被害が多発した13~14年度に生活保護費の支給に関わった職員19人に聞き取り調査も行ったが解明には至っていない。市は今後、聞き取りの範囲を広げ、5月までに内部調査を終えて報告する方針。関係職員への被害分の賠償も求めていく。

ずさんな処理明るみに


 鎌倉市役所での生活保護費の盗難では、支給に関する事務処理のずさんさも明らかになった。会見で松尾市長は、受給停止手続きが取られなかったことや、現金を扱う資格のない職員による支給、簡易なキャビネットでの保管などについて「単なる怠慢では済まされない」と陳謝した。

 市によると、保護費支給はこれまで受給者と面談して生活状況を聞き取りながら現金を手渡す場合が多かった。現金の取り扱いは出納係が行わなければならないが、面談した生活福祉課のケースワーカーが渡すこともあったという。

 面談で取りに来ない受給者もいるため、渡せなかった封筒は課内のキャビネットで保管されていた。問題発覚後の昨年9月、キャビネットには帳簿上、50世帯分の約513万円にも上る現金が保管されていることになっており、最も古いもので2008年度分の封筒も残っていた。

 市の生活保護受給者は現時点で744世帯。これまでは手渡しが約3分の1を占めていたが、問題発覚後に口座振り込みへの切り替えを進めている。

 鎌倉市の事務処理を巡っては、市と事業者との間で長年白紙の請求書が交わされていた問題など、不適切な処理の原因究明と再発防止策を検討する調査委員会が庁内に設置されている。


生活保護費が保管されていた生活福祉課のキャビネット
生活保護費が保管されていた生活福祉課のキャビネット

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