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来たれ若者、転居補助に15万円 「空き家」活用へ横須賀市

政治行政 神奈川新聞  2016年04月12日 02:00

横須賀市内では大学生が空き家をコミュニティースペースに改修するプロジェクトも進む=1月、同市追浜南町
横須賀市内では大学生が空き家をコミュニティースペースに改修するプロジェクトも進む=1月、同市追浜南町

 地域で増え続ける空き家を下宿先として活用してもらおうと、横須賀市は一戸建て賃貸住宅で共同生活を始める学生グループに引っ越し準備金を助成する制度を設けた。学生の負担軽減とともに、人口減少と高齢化が進むまちに若者を呼び込もうとする試みだ。大学などが空き家を学生向けシェアハウスに改修する例はあるが、転居費用をサポートする仕組みは全国的にも珍しく、国も「初めて聞いた事例」としている。

 新たな制度は、民間の不動産会社が扱う市内の一戸建て物件を借りてシェア居住する学生グループが対象。転居後に領収書などを添えて申請する仕組みで、1グループ当たり最大15万円の補助金は敷金や礼金をはじめ、共用する冷蔵庫やエアコンなどの家電購入費に充てることも可能だ。初年度は10件の利用を見込むが、申請数が上回った場合は新たな予算措置も検討する。

 ターゲットは、周辺の大学・専門学校などに遠距離通学したり、寮に入れず1人暮らしをしたりする学生を想定。対象物件は増加傾向にある谷戸地域や斜面地の空き家に限定しないが、町内会への参加を義務付ける。地域行事に積極的に参加してもらうことで、まちの新たな活力としても期待する。

 導入の背景には、深刻な人口減少に伴う空き家対策が急務となっている現状がある。国の住宅・土地統計調査よると、2013年の市内の空き家は2万8830件。総戸数の14・7%に上り、県(11・2%)や全国(13・5%)平均を上回る。居住者の高齢化や流出に加え、起伏の激しい地形などが影響しているとされ、市などが利活用に向けた模索を続けている。

 また、学生側の「少しでも家賃を安く抑えたいという切実な声がある」(市担当者)という事情も。東京地区私立大学教職員組合連合の調査では、首都圏などの私大に15年度に入学した下宿生の仕送り月額は8万6700円。15年連続で減少し、1986年度の集計開始後最低だった。

 人口減の食い止めを最優先課題に位置付ける市は4月、空き家対策などを担う部署に「住まい活用促進担当課長」ポストを創設し取り組みを強化。島憲之課長は「あまり前例のない実験的な事業。『行政がここまでやるのか』という内容も含めてチャレンジしながら、ニーズを探りたい」と話している。


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