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宿泊客戻る箱根 火山活動の影響薄れ 観光業手応え

社会 神奈川新聞  2016年04月10日 02:00

箱根湯本駅周辺を訪れる観光客=箱根町湯本地区
箱根湯本駅周辺を訪れる観光客=箱根町湯本地区

 箱根町は箱根山・大涌谷周辺の火山活動活発化による町内の宿泊業、飲食業などへの影響をまとめた調査結果(2月実績)を発表した。宿泊業、観光施設が前年同月を上回る内容となり、町観光課は「(火山活動活発化の)影響はほぼなくなっている。回復状況は山でいえば9合目ぐらい」と話した。町内の観光業者も「客足は良くなっている」との手応えを感じており、本格的な春の観光シーズンに期待を寄せる。
 
 調査結果によると、2月実績の前年同月比は宿泊業が102・2%と1月実績に続いて前年を上回ったほか、飲食業100・0%、物産業91・9%、観光施設100・6%、交通業90・0%となった。

 同課は箱根山の噴火警戒レベルが昨年11月に最低の1(活火山であることに留意)に引き下げられて以降、時間の経過とともに火山活動が活発化した当時の危険なイメージが薄れてきたのではないかと分析している。

 町内の観光業者も客足回復の手応えを口にする。

 箱根の玄関口・湯本地区の土産物店「村上二郎商店」会長の村上高嶺さん(71)は、遠ざかっていた日本人観光客について「戻ってきている」との印象。3月は春休みを利用した家族連れらでにぎわったという。老舗旅館の男性支配人も「昨年12月以降、(稼働率は)前年超え。インバウンドの影響が大きいが、レベルの引き下げの影響もある」と話す。

 箱根では芦ノ湖周辺でこれから桜が見ごろとなり、その後はツツジと、本格的な春の観光シーズンを迎える。土産物店「みつき」を営む田中元朗さん(58)は「大型連休には例年並みに戻ってくれれば」と期待する。

 大涌谷に近い強羅地区からも同様の声が聞こえる。土産物店「角田屋」店主の小野澤力さん(63)は「今年1月末からは良くなっている。外国人観光客が6~7割を占めるが、若い日本人観光客も来ている」。旅館経営者は「最も落ち込んだ時期で(宿泊者数は)前年比4割程度だったが、今年に入り、9割ぐらいまで回復している」と振り返った。

 地元関係者に残る懸念は、濃い火山ガスのため、いまだに立ち入りが規制されている大涌谷周辺。箱根ロープウェイも大涌谷駅を含む区間(早雲山-姥子間)が運休している。別の土産物店の男性店主は「ロープウェイが全線で再開しないと、(地区によっては)これ以上戻らないのではないか」と述べた。

 観光客の多くも規制解除へ期待を寄せるが、慎重な判断を望む声もある。新婚旅行で強羅地区を訪れていた、横浜市鶴見区の会社員渡邊舞さん(28)、徹弥さん(29)は「大涌谷に入れないのは残念。ただ、無理に(規制)解除をすることは望まない。正しい判断による解除を信じて待ちたい」と話した。


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