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帰宅困難対策 道半ば 厚木、海老名市

社会 神奈川新聞  2016年04月08日 02:00

 東日本大震災で初めて直面した帰宅困難者問題。主要駅を抱える相模川両岸の厚木、海老名市も企業と協力した誘導訓練や一時滞在施設の確保などの対策を実施する一方、混乱を回避するため、一斉帰宅の抑制を要請している。この5年間で備えはどこまで進んだのか、課題を探った。

 厚木市内には小田急線の2駅がある。震災当夜、本厚木駅では最大約600人、愛甲石田駅で同約100人の帰宅困難者が発生。同市などは震災2年目から両駅で対応訓練を実施している。

 同市は独自に被害想定を見直して一時滞在施設の確保に努めてきた。結果、本厚木駅で想定する最大約8300人への対応は、ホテルなど官民合わせて7施設で受け入れるめどが立ったとしている。

 ただ、これは「企業は社員の70%、大学は学生の70%が帰宅を抑制」(同市危機管理課)との前提条件が満たされた場合の見込みにすぎない。

 約9千人の従業員の大半が本厚木駅を利用するソニーの事業所(同市旭町、岡田)は、全従業員に配布する水、乾パン、毛布代わりのアルミブランケットを用意。残留者用にアルファ米も備蓄している。

 郊外にある日産自動車の事業所(同市岡津古久)は約1万5千人の従業員を抱えるが、半数はマイカー通勤。食料の備蓄は全従業員1日分のほか、3~4日分を想定して1万4千食を用意している。

 また、約3キロ離れた愛甲石田駅の帰宅困難者200人を公開スペースに収容する協定を同市と締結した。

 しかし、市内に数多く集積する中小企業や五つある大学の帰宅抑制対策について、同市は現状を把握しておらず、啓発にとどまっているのが実情だ。

 小田急、相模鉄道、JRの3線が乗り入れる海老名駅は、西口地区の土地区画整理事業が昨年10月に完了し、大型商業施設が開業するなど利用者は急増。だが厚木市のような行政機関と鉄道事業者、企業など利用者が参加する帰宅困難者訓練は実施されていない。

 同駅では震災時、約460人の帰宅困難者が発生。海老名市内で想定する約9千人の多くが同駅で発生すると見込まれる。同市が確保している一時滞在施設は文化会館と中央図書館2カ所で収容人数は計3600人にとどまり、大幅に不足している。

 西口地区に面するリコーの事業所(同市下今泉)は、約5千人の全従業員に3日分の水、食料を備蓄している。「道路状況を確認して10キロ圏内に住む従業員には徒歩帰宅を認める。家族の安否を心配する従業員に帰宅抑制を強要はできない」と担当者は話す。

 制振構造の新棟を持つ同事業所は、防災に関するいくつかの協定を市と結んでおり、帰宅困難者の受け入れ協力についても「二次災害のリスクなどの課題はあるが、市と連携し対応を考えていきたい」という。

 同市危機管理課は「これまで住民の避難所対応を優先させてきた。今夏にマニュアルの改定が終わるので、本年度には帰宅困難者の対応訓練を実施したい」と説明している。


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