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コンコルディアFG発足 横浜・東日本銀統合持ち株会社

経済 神奈川新聞  2016年04月02日 02:00

コンコルディア・フィナンシャルグループのロゴを披露した寺澤社長(右)と石井副社長=東京都中央区
コンコルディア・フィナンシャルグループのロゴを披露した寺澤社長(右)と石井副社長=東京都中央区

 横浜銀行(横浜市西区)と東日本銀行(東京都中央区)は1日、経営統合し、持ち株会社コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)を発足した。東京と神奈川を中心に首都圏を地盤とし、総資産は昨年12月末時点の合算で17兆9445億円に上る国内最大規模の地方銀行グループが誕生した。両行はコンコルディアFGの傘下に入り、従来通り業務を続ける。

 寺澤辰麿社長(横浜銀頭取)は東京都中央区の本社で、石井道遠副社長(東日本銀頭取)と記者会見し、「(両行は)首都圏という地盤は共通だが、営業エリアや顧客基盤、得意分野の競合が少なく、補完関係が多い。補完関係を生かせると確信が強まっている。早期にシナジー(相乗)効果を発揮させたい」と意気込んだ。また、他の金融機関との統合については「(コンコルディアFGは)地域金融機関の開かれたプラットホームだと考えている」と強調。地域との密接なつながり維持など一定の条件がそろえば、広く門戸を開けていく方針を示した。

 コンコルディアFGの取締役は7人で、うち3人は社外から選任。寺澤社長と石井副社長のほか、横浜銀の大矢恭好・代表取締役常務執行役員が代表権を持つ。

 横浜銀と東日本銀の株式は3月29日付で上場廃止となり、4月1日付でコンコルディアFGが東証1部に上場した。また会見に先立ち式典が開かれ、コンコルディアFGのロゴが披露された。

 経営統合により、業務の比重が東京にシフトされるとの懸念が浮上していることについて寺澤社長は「(横浜銀は)神奈川県に軸足を置いていることには全く変わりはない。コストシナジーをさらなる投資に充てることができ、お客さまのサービス向上につながる」と決意を述べた。

中計に100億円収益増盛り込む 統合効果でコスト削減


 横浜銀行と東日本銀行の経営統合で発足した持ち株会社コンコルディア・フィナンシャルグループは1日、統合効果によって3年間で累計約25億円のコスト削減、約100億円の収益増を盛り込んだ2019年3月までの中期経営計画を発表した。

 同計画では顧客、株主、従業員、地域-のそれぞれに向けた基本戦略を設定。個人顧客に対しては、営業拠点と営業時間を拡充・拡大し、金融テクノロジーを融合して利便性を向上させる。法人顧客には浜銀総合研究所などの機能をグループで活用し、顧客の成長ステージに応じて支援。事業評価などに取り組んで企業価値の向上を図り、海外ビジネスもサポートする。

 また、システム統合や店舗の統合・サテライト化などを進めてコスト削減に努め、約150人の人員を捻出。成長地域、分野に投入し、30か所の新規店舗・拠点整備を目指す。横浜銀は19年3月までに約15店舗・拠点を出店予定で、5月には東日本銀の立川支店を共同店舗とする。

 寺澤辰麿社長(横浜銀頭取)は「金融環境の変化に即応し、統合効果の早期実現に向け効率化や成長投資に積極的に取り組み、お客さまとのリレーションを拡大、深化させる」とした。

 横浜銀と東日本銀は同日、現金自動預払機(ATM)の相互の入金と振込手数料の割引に関する業務提携を開始。東日本銀は、横浜銀と三井住友信託銀行が共同で設立した資産運用会社スカイオーシャン・アセットマネジメントが運用する投資信託の販売を始めた。

【解説】地元密着より鮮明に



 基本合意から1年4カ月余、横浜銀行と東日本銀行が経営統合し、国内最大規模の地方銀行グループが始動した。持ち株会社コンコルディア・フィナンシャルグループが経営方針を決めて監督し、子銀行は業務に集中。こうした体制の実現に向け、横浜銀は持ち株会社と経営トップを分けた。地元密着をより鮮明に打ち出したといえ、統合への決意がにじむ。

 6月以降、寺澤辰麿社長は横浜銀の頭取を退き、持ち株会社の経営に専念。同社の代表取締役には、横浜銀の代表取締役常務執行役員の大矢恭好氏を据え、首都圏を舞台にした競争に挑む。一方、財務省(旧大蔵省)出身者の指定席だった横浜銀の頭取には、初の生え抜きである川村健一氏が就任。副頭取となる望月淳氏と二人三脚で“地銀の雄”を率いる。

 ある幹部は「統合準備が大詰めを迎えるにつれ、地盤である神奈川の重要性を痛感した」と振り返る。生え抜きが頭取になることでモチベーションや当事者意識がより高まり「組織が変わる」「より地元を大切にできる」との声が、行内から上がっている。

 少子高齢化、人口減と地銀を取り巻く経営環境は厳しい。長引く低金利で利ざやは減少し、マイナス金利政策が追い打ちをかける。さらに首都圏ではメガバンクに加え、東京TYフィナンシャルグループと新銀行東京が経営統合し、足利ホールディングスと常陽銀行が統合への準備を進めるなど、競争激化は必至だ。一方、生活様式の多様化で地銀へのニーズは変化し、金融とITを融合した「フィンテック」など、専門性の高い対応も求められる。

 船出した持ち株会社、新生の横浜銀、新たなパートナーの東日本銀。調和を意味する「コンコルディア」という名前通り、3者が協調し、地域経済活性化にどれだけ貢献できるか。統合の真価が問われる。


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