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「成長、発展の原動力に」 危機感もにじむ県内企業入社式

経済 神奈川新聞  2016年04月02日 02:00

全新入社員にタブレット端末を配布して行われた富士ソフトの入社式=パシフィコ横浜
全新入社員にタブレット端末を配布して行われた富士ソフトの入社式=パシフィコ横浜

 新年度を迎えた1日、県内企業が入社式を開催した。円高・株安や中国経済の減速、原油安など事業環境に陰りが見える中、トップらの言葉には新入社員への歓迎や期待に加え、直面する現状への危機感もにじんだ。

 「激動する金融業界で、地方銀行のトップバンクとして存在感を持ち続ける原動力になってほしい」。横浜市西区の横浜銀行本店。グループの新入社員206人を前に激励したのは、寺澤辰麿頭取。東日本銀行と経営統合し同日、誕生した持ち株会社コンコルディア・フィナンシャルグループの初代社長でもある。

 新入社員を「第1期生」と強調し、「(地銀は)地域経済を活性化させる役割を担う。公共的使命を持つことを理解してほしい」「誇りを持ってグループ全体を成長、発展させる原動力となってほしい」と自覚を促した。

 提携先のフランス自動車大手ルノーを介してフランス政府が経営に影響力を強めようとした問題に直面したが、独立性を守った日産自動車(横浜市西区)。カルロス・ゴーン社長は新入社員535人を前に、ルノーとの関係を「世界で最も成功しているアライアンス(企業連合)」と強調。「(世界の販売台数で)トップ3を目指す」とさらなる連携と成長を誓った。

 「顧客にワクワクする革新的なクルマを届けていく」とした上で「今日から目標達成に貢献するチャンスが(既に)ある。あらゆる学びの機会を生かし力を合わせれば成長できる」。最後には「全力を尽くすことを期待しています」と日本語で呼び掛けた。

 将来に向けて競争環境が大きく変化する懸念をトップが示したのは、横浜市中区で開かれたJAグループ神奈川の合同入会式だ。高桑光雄会長は1日に施行されたばかりの改正農協法、5日から関連法案の国会審議入りが予定される環太平洋経済連携協定(TPP)に触れ、「日本の農業の在り方が大きく変わりかねない問題」と訴えた。

 100人超に上る新採用職員を前に農業所得の増大に向けて取り組む施策にも言及し、「達成には職員一体の取り組みが不可欠」「存立を揺るがす大変な状況だからこそ、若い力が必要だ」と呼び掛けた。

 技術の進歩がめまぐるしい情報通信技術分野でしのぎを削るソフト開発の富士ソフト(横浜市中区)。式典ではIT企業らしい演出として、新入社員393人全員にタブレット端末を配り、プログラムなどの情報を端末で見せた。

 坂下智保社長は話題の人工知能(AI)や情報端末の多様化に言及し、「まさに当社が主役となり得る時代が到来した。われわれが時代をつくっていくんだという気概を持って社とともに成長してほしい」とエールを送った。新入社員代表であいさつした島田岳さんは「失敗を恐れることなく何事にも挑戦し、一日も早く社の発展に貢献できるよう全力を尽くす」と意気込みを語った。


主な県内企業トップあいさつ

 ◇アマダホールディングス・岡本満夫会長 今年創業70周年を迎える。100年企業へ向かうため『お客さまとともに発展する』という姿勢を忘れず、まずは職場でのエキスパートになり、実力を身につけていってほしい。

 ◇エバラ食品工業・宮崎遵社長 二つのお願いがある。21世紀のエバラを支える面白い人材として「言葉より行動」の実践を。そしてエッジの効いた若い感性を吹き込んでほしい。自社の未来は無限の創造力にかかっている。

 ◇川崎信用金庫・草壁悟朗理事長 金融を通じて地域に貢献し90有余年。社会の変化、時代のニーズに合わせ改革を行っている。新しい時代の新しいかわしんを担うのは皆さん。豊かな想像力と若々しい実行力に期待する。

 ◇KTグループ・上野健彦会長 会社は私たちが社会に生きて自分自身を高め、成長させる最善の場。皆さんの新しい一日がよりよいもので、一日の積み重ねでより充実した毎日を送れるよう成長していくことを心から祈ります。

 ◇サカタのタネ・坂田宏社長 「変化に敏感であれ」「自己研さんに励みチャレンジャー精神を常に持て」「プロフェッショナル意識を常に持て」-。社会人としての基礎をつくる際、心得としてぜひ胸に刻んでいてほしい。

 ◇中外製薬・永山治会長 次世代コア技術を支える中核的拠点の設立準備を、横浜市戸塚区で始めた。世界トップの製薬企業を目指す新中期経営計画の1期生である皆さんにはぜひ「イノベーション」を起こしてほしい。

 ◇千代田化工建設・澁谷省吾社長 世界は常に変化する。若い感性や柔軟な発想を活かし努力を惜しまず、一日も早くプロフェッショナルとして力を付け、時代を拓く千代田の歴史のバトンを担えるようになってください。

 ◇ニッパツ・玉村和己社長 社会人で重要な『心・技・体』がある。体は仕事上の基礎知識や動作。技は専門能力や応用技術。心は体・技を実現する根幹である自分自身の気持ち。心身の健康を第一に成長と活躍を期待する。

 ◇ノジマ・野島廣司社長 会社は規模よりも、質を追いかける。お客様に喜ばれることを考え、質を高めていけば結果、数字はついてくる。皆さんの成長がノジマの成長だ。相談にも乗るので安心して成長してほしい。

 ◇ファンケル・池森賢二会長 皆さんには「どんなところに世の中の『不』が発生するか」「どんな人助けができるか」など大きな視点で物事を捉え、次の事業を生み、将来のファンケルを背負う社員になってほしい。

 ◇富士通・田中達也社長 ICT(情報通信技術)の世界は非常に大きな変化の時代に突入しており、皆さんの活躍こそが新時代を築く鍵を握る。今後の変革をリードするといった気概を持って自らを高めてほしい。

 ◇富士通ゼネラル・斎藤悦郎社長 皆さんの前には平坦な道だけではなく、厳しい現実や失敗に悩むこともあるだろう。しかし、悩むことは真剣に全力で取り組んでいる証明。会社はそういった人間を必要としている。

 ◇富士フイルムホールディングス・中嶋成博社長 お客様や仕事相手が何を求めているか必死で考えてほしい。皆さんの新しい目・発想で、真のニーズを見極めることを期待する。自信をもって明るく元気に仕事をしよう。

 ◇丸全昭和運輸・浅井俊之社長 常にお客様の立場で仕事を行い、挑戦する心を持つことを期待する。(物流業務を専門業者が一括元請けする)3PL事業、グローバル物流事業で活躍できるよう自己研さんを続けてほしい。

 ◇横浜信用金庫・大前茂理事長 地域金融機関を取り巻く厳しい環境を働きがいのある、チャレンジングなものと前向きに受け止めてほしい。職員としての誇りと自覚を持ち、自己研さんに努め、夢を持っていただきたい。

 ◇ヨロズ・志藤昭彦会長 今後、皆さんは人生の大半の時間を会社で過ごすことになります。定年を迎える時にヨロズで働いてよかったと思えるような、そんな生き方を追求して下さい。何事も明るくチャレンジしてください。

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