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18歳、迫られる自立 県内養護施設「継続的な支援を」

政治行政 神奈川新聞  2016年03月30日 12:25

 児童養護施設での生活は原則18歳までとなっているが、家庭の支援を得られない若者にとって、大学や専門学校の在学期間が終わらないうちに退所して自立を目指すのは簡単ではない。県内の現場からは、退所後にも継続的な支援を訴える声が上がっている。

 保育士を目指して横浜市内の3年制の専門学校に通う男性(20)は、2年前に既に卒園している児童養護施設の春光学園(横須賀市)で、最近まで生活を続けていた。

 学費や生活費の負担は軽くない。事情があれば施設での生活が20歳まで可能となる「措置延長」を、高卒後に利用した。だが昨年の誕生日で20歳を迎えて、その期限も切れている。

 新年度を前に、アパート暮らしを始めた。保育実習の合間に、自分で家賃も稼がなければならない。

 「もし22歳まで措置延長ができていれば、彼も重荷を負わず、ゆったりとした学生生活を送れていたのではないか」と、学園の小林秀次園長は振り返る。

 一般家庭の子どもでは、大学や専門学校への進学が7割を超えている。小林園長は子どもたちに将来の進学・就職を、中学卒業時に考えてもらうようにしている。定員数の都合で措置延長制度を利用できなかった卒園生のなかに、学業とアルバイトを両立できなかったり、慣れない1人暮らしで体調を崩したりする例を見てきたからだ。

 「進学できる力のある子にはさせたいが、挫折せずに続けられるかどうかも見極めなければいけない。大学や専門学校を卒業してから、本当の意味で自立が必要になる」

 厚労省は2015年度補正予算で、退所した就職・進学者の生活費や、入所中の子どもが資格を取得する費用を融資する制度を導入した。「22歳になった年度末まで引き続き必要な支援を受けられる事業」(雇用均等・児童家庭局)も新設する検討を始めている。

児童虐待の対応強化 政府、改正法案を衆院提出


 政府は29日、児童相談所の体制や権限強化を柱とする児童福祉法と児童虐待防止法の改正案を閣議決定し、衆院に提出した。ベテラン児童福祉司や弁護士の配置を義務付けたほか、強制的に家庭に立ち入る「臨検」の手続きを簡略化。増加する児童虐待への対応強化に向け、今国会での成立を目指す。

 改正法案は、児相の強化策として(1)同僚らへの指導・教育も担当するベテラン児童福祉司や児童心理司らの配置(2)児童福祉司への研修-を義務化した。児相や市町村の求めに応じて、医療機関や児童福祉施設、学校が被虐待児に関する資料を提供できるようにすることも明記。「臨検」に関しては、実施に先立つ保護者への「出頭要求」の手続きを省略した。他に、虐待を受けるなどして実親の元で暮らせない子どもについて、里親委託や養子縁組を促進することも盛り込まれた。里親支援や養子縁組に関する相談・支援は、児相の業務に位置付ける。

 また、これまで一時保護中に18歳になった場合は児童養護施設などへの入所措置ができなかったが、20歳未満まで入所措置を可能にする。保護された子どもが大学などへの進学を諦めたり、中退したりしないよう、施設出身者らが共同生活する「自立援助ホーム」に関しては、入所可能な年齢を「20歳未満」から「22歳に達した年度末」に引き上げる自立支援策も盛り込まれた。


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