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オーケストラ公演をターゲットにした被害相次ぐ
カード不正利用でチケット買い占め、当日空席…

社会 神奈川新聞  2016年03月29日 02:00

 何者かがクレジットカード情報を不正利用しチケットを大量購入する-。オーケストラ公演をターゲットにした、こんな被害が相次いでいる。昨年末には、ミューザ川崎シンフォニーホールを拠点とする東京交響楽団(東響)が約300枚を一気に購入されていたことが分かった。クレジットカード会社は不正利用であることを認めているというが、狙いは不明。買い占められた座席には客が数人しか現れず困惑が広がっている。

 日本オーケストラ連盟によると今年に入り、神奈川以外の地方オーケストラの3、4回の公演でも同様の被害があり、延べ千枚ほどのチケットが購入された。

 東響では、昨年12月26日午後9時頃、同楽団が運営するウェブサイトのチケット購入ページで立て続けに買い取られた。1回につきチケット8枚までなど購入制限があるが、複数のカード情報を使い電話番号や住所を変えるなどして矢継ぎ早に購入された。

 翌日、購入状況を見ていた東響の職員が気づき、慌てて発券を中止したが、すでにS席(8千円)からP席(2千円)の約300枚がコンビニエンスストアで発券されていた。

 この公演は、サントリーホール(東京都港区)で3月26日、行われた「第638回定期演奏会」。同月末で退団するソロ・コンサートマスターの大谷康子さんが出演する節目の公演だった。一般客への販売と合わせて完売の状況だったが、当日は買い占められた座席には数人しか現れず空席が目立つ事態となった。

 チケット代金についてはカード会社が保証したため金銭的損害はなかった。

 同連盟の桑原浩事務局長によると、クレジットカードの不正利用とみられるチケットの買い占めは以前からもあったというが「今年に入って被害が目立つようになった。コンサート業界では氷山の一角ではないか。なぜクラシックを狙ったのか」と不安げに語る。

 オーケストラの中には、不正利用を防止しようと、コンビニでの現金支払いと引き換えにチケット発券をするなどの対策を取っている団体もあるという。

 東響の大野順二楽団長は「カードを不正に利用された人が一番の被害者だが、コンサートを楽しみにしていた人にチケットを提供できなかったことがとても悲しく、団員にとってもつらいことだった。ネットでチケットが24時間買える時代だが、便利さの裏側にこういった事態が起きたことを伝えることで、警鐘につながればと思う」と話している。


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