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実態5人、縦割り原因か
県内死者数食い違い 関連死1人報告せず川崎市

社会 神奈川新聞  2016年03月28日 11:37

 東日本大震災で亡くなった神奈川県民は17人で、最大震度5強を記録した県内ではこのうち5人が犠牲になっていた。しかし、これまでに国から公表されてきた県内の死者数は4人で、災害弔慰金の支給実績からみた被災の実態と食い違っていることが判明した。川崎市が関連死の1人を報告していなかったためで、市危機管理室は「確認の上、必要があれば修正したい」としている。

 総務省消防庁は震災の被害状況を3月と9月に取りまとめて公表しており、その都度、都道府県を通じて各市町村から報告を求めている。

 今月8日に公表された最新の集計では、死者は北海道から神奈川までの13都道県で1万9418人。行方不明者は2592人を数える。昨年3月公表分と比べると、関連死の増加によって死者が193人増える一方、遺体の身元判明が進んだことで行方不明者は22人減った。

 この中で公表されている神奈川県内での死者数は4人。横浜市内2人、川崎、藤沢両市内の各1人について計上されているが、2013年に関連死と認定された川崎市の男性(48)は含まれていない。

 同市では、災害弔慰金の支給や関連死の認定は福祉部門が担当しており、危機管理室がその情報を共有していなかったのが原因とみられる。県の災害対策課もこうした状況を把握していなかった。

 一方、横浜市が報告している死者2人には、市内で亡くなった相模原市の女性とともに関連死の女性が含まれている。

 総務省消防庁の担当者は「各自治体からは、関連死を含めた人数が報告されているものと理解している」と説明。川崎市のようなケースについては「これだけ規模の大きい災害なので、人数の重複や漏れがある可能性は否定できない」と集計の正確さに課題があることを認めている。

 被害の激しかった岩手、宮城、福島の東北3県は、被災市町村から直接死と関連死を分けて報告を受けるとともに、それぞれの市町村別の人数を公表している。国に対しては、これらを合算した人数を報告しており、都道府県別で最多の1万500人余りが亡くなった宮城県の担当者は「重複などはないと考えている」と説明している。

 ◆災害弔慰金
 災害救助法が適用されるなどした自然災害で亡くなった人の配偶者や子、父母らに支給される。生計を維持していた人が死亡した場合は500万円、それ以外は250万円。避難生活に伴う体調悪化や過労などによる関連死も対象となる。実施主体は市町村で、国や都道府県とともに費用を負担。防災部門が業務を担当している市町村もある。


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