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津波避難どう徹底 死者半減目標を正式決定

社会 神奈川新聞  2016年03月19日 10:44

 関東大震災級の巨大地震で予想される3万人超の死者を半減させるとの目標を盛り込んだ県の新たな地震防災戦略が18日、正式に決まった。市町村や企業、地域と連携して耐震化や出火防止策などを進め、新年度からの9年間で目標の達成を目指す。中でも、早期避難の意識が定着しておらず、犠牲者を増やす恐れが大きい津波の対策をどう進めるかが鍵となる。 

 2010年に策定した現行戦略の期間が今月で終了するため、東日本大震災の教訓を踏まえ、内容を大幅に見直した。従来は三浦半島断層群の地震などマグニチュード(M)7級を減災目標の対象にしていたが、想定死者数が10倍近い関東大震災級の大正型関東地震(M8・2)に変更した。

 1923年9月1日に起きた関東大震災では、東京や横浜を中心に10万5千人余りが死亡。震源が小田原付近だったため、県内の広い範囲が震度7程度の激しい揺れとなり、建物の倒壊とそれに伴う大火、短時間で押し寄せた津波や土砂崩れなどでほぼ全域が激しい被害となった。

 同じタイプの再来に備えるために想定した大正型関東地震が起きると、県内の死者は3万1550人、全壊・焼失は56万3420棟に上ると県は推計。新戦略では、想定死者のうち揺れによる1万7700人を8800人に、津波に巻き込まれる1万2530人を5030人に、火災が原因の1330人を350人に減らすとの目標を掲げた。実現に向け、住宅や施設の耐震化、家具の固定、崖崩れ対策、感震ブレーカーの設置などに具体的な数値目標を盛り込んでいる。

 相模湾沿岸に5分前後で6~8メートル程度の最大波が予想される津波に関しては、すぐに高台や安全な場所へ逃げる意識の定着が課題。訓練やハザードマップを通じた啓発とともに、市町村による避難施設の一層の確保を目標とした。

 黒岩祐治知事は新戦略の決定後、「自助、共助、公助に総合的に取り組み、訓練などを継続することが大切。防災教育も非常に重要だ」と述べた。

 県などはこの日、東京湾岸の石油コンビナートを対象とした防災計画も新たな被害想定を踏まえた内容に修正した。


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