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友好の証し、人形のメリーさん 平和伝える使者今も

話題 神奈川新聞  2016年03月13日 14:01

米国から贈られた「メリーさん」(右)と「キャサリンちゃん」を手にする中世校長=葉山小学校
米国から贈られた「メリーさん」(右)と「キャサリンちゃん」を手にする中世校長=葉山小学校

 日米友好の証しとして昭和初期に米国から贈られた「青い目の人形」が、葉山町立葉山小学校(同町堀内)で大切に保管されている。戦禍を乗り越えて受け継がれてきた西洋人形は、子どもたちの平和や国際親善の心を育んできた。町教育委員会は、町文化財の指定を検討している。

 「あら、かわいい」。葉山小に現存する「青い目の人形メリーさん」の見学に訪れた近隣住民たちが、声を弾ませる。中世貴三校長が胸に抱くと、目を細めて次々と記念撮影した。

 町教委生涯学習課によると、青い目の人形が米国から贈られたのは1927年。宣教師シドニー・ギューリック博士が当時、米国で排日的な動きが広がっていたことを憂い、子どもの時期から平和と友情を大切にする心を育てようと全米に募金を呼び掛けた。集まったお金により、約1万2千体の人形が日本各地の幼稚園や小学校に届いた。

 しかし、太平洋戦争が始まると「敵国の人形」として多くが処分され、県内で現存するのは横浜や小田原市内の小学校に残る9体のみ。葉山小では「人形に罪はない」と隠されていたという。

 戦後30年以上たった1978年に校内の資料室で発見されて以来、「平和の大切さを伝える葉山小の宝」(中世校長)として大切に保管、受け継がれてきた。87年には、ギューリック博士の孫から友好の証しにと、新しい人形「キャサリンちゃん」も贈られた。

 町教委は「青い目の人形がたどった経緯や、葉山小で平和教育に活用されていることは貴重」とし、メリーさんの町文化財指定を目指し、文化財保護委員会に諮問。答申を受け、今夏ごろの指定を検討している。

 中世校長は「文化財に指定されても学校で保管し、子どもたちや地域の人々に平和を伝えていきたい」と話している。


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