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県内で急増中 社会人経験、現場も歓迎
アラフォーからの看護学校

社会 神奈川新聞  2016年03月08日 09:28

卒業証書を手にする(左から)渡邊まりあさん、真理子さん、あんなさん =4日、横浜市病院協会看護専門学校
卒業証書を手にする(左から)渡邊まりあさん、真理子さん、あんなさん =4日、横浜市病院協会看護専門学校

 県内の看護学校(3年課程)で、社会人経験者を含む新卒以外の入学者が増えている。35歳以上が急増、40歳以上の人数は全国最多だ。看護師が不足しているという認識が一般に広まり、志願への背中を押す一方、現場からは社会経験を積んだ人材を歓迎する声も上がる。超高齢化が進む2025年問題を控え、支援や法整備も進む。 

 県内の15年度の新卒以外の入学者は、20年前よりも353人多い625人。全体に占める割合は36・1%で、全国平均26・1%を大幅に上回る。

 人数は全国3位だが、上位の大阪、東京よりも新卒以外の割合が多いのが特徴だ。40歳以上は41人で、2位東京の26人を大きく上回った。35~39歳でも58人と東京に次ぐ2位につける。

 社会人経験者が増える背景を、横浜市病院経営本部人事課は「看護師不足という社会的認知が広がっている」と分析。「雇用環境が不安定の中、資格の重要性の認識も高まっているのでは」と推測する。

生徒確保に努力



 県内で増える理由を同課は「特に横浜市内は新設校も多く、生徒確保のため努力している」とみる。県保健人材課によると、県内の看護学校(3年課程)は25校で、横浜市内に半数近い12校がある。受験科目を減らすなど社会人入試がしやすい工夫や奨学金の導入など経済的支援に力を入れる。

 06年の診療報酬の改定で、入院患者に対する看護職員配置数の最高基準が「10対1」から「7対1」に引き上げられた。これに伴い、急性期病院を中心として、看護師の確保がより重要になった。

 首都圏を中心に、戦後のベビーブームに生まれた世代が75歳の後期高齢者に達する「2025年問題」が深刻だ。市医療政策課は「医療の機能分化が進み、リハビリ施設など幅広い分野で、多様な形態で働ける看護師が必要になる」と社会人経験者に期待を寄せる。

 厚生労働省は社会人経験者の入学者増加を受けて、15年3月には看護学校向けに、受け入れの指針を作成した。シングルマザーの支援など、具体的なアドバイスが書かれている。

 横浜市病院協会看護専門学校(同市港南区)では15年度、48歳を筆頭に40歳以上の女性14人が入学した。

年齢高くても挑戦できる



 なぜ、この年齢になって看護師を目指すのか。

 40歳で乳がんを患ったことが契機になったのは中村京子さん(46)=座間市。入院中に社会人経験のある実習生から看護を受けた。「話を聞き、年齢が高くても挑戦できると思った」という。

 2人の子どもを育てるシングルマザーの寺澤香織さん(44)=横浜市泉区=は、母親が看護師。「母親の願いもあり、看護師を目指した。社会的地位も昔より随分上がったように思う」と話す。今年2月には国の教育訓練給付金を申請した。雇用保険の被保険者期間が通算して2年以上ある人のための、再出発を支援する制度だ。

 元セラピストの太田真理子さん(46)=厚木市=は入学前、同市内の精神科病院で看護助手として7カ月働いた。自分が看護師に適任かを確かめるためだ。同学校の工藤敦子教務課長は「社会人経験者は目的意識が明確で、意欲も高い。身につけたプレゼン力や論理的な考え方を生かしている」と指摘する。


  

母娘3人同級生、巣立ち


 母娘3人が同時に看護学校に通う、全国でも珍しいケースが横浜市内であった。

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