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水素ちなむ新技術が続々 スマートエネルギー展に熱視線

経済 神奈川新聞  2016年03月05日 02:00

海外からの来場者の注目も多かった日立オートモティブシステムズメジャメントの水素ディスペンサー
海外からの来場者の注目も多かった日立オートモティブシステムズメジャメントの水素ディスペンサー

 トヨタ自動車が燃料電池車「MIRAI(ミライ)」を世界で初めて市販し水素元年とも言われた昨年。4日まで都内で開かれた総合展示会「スマートエネルギーWeek2016」でも、水素にちなむ新技術が多く登場。県内企業のブースにも国内外からの熱視線が向けられた。

 各社が競うように展示していたのが水素製造関連技術。三菱化工機(川崎市川崎区)は水素ステーション向け水素製造装置「ハイ ジェイア エー」を紹介。東京ガスなどが供給する「13A」グループの都市ガスや液化石油ガスから水素を現場で取り出せる装置だ。

 水素を輸送する手間や費用がはぶけるほか、安全や効率化に役立つ起動、運転、停止の自動化機能を搭載。小型化も進め、設置面積は24平方メートルと従来型の半分以下にした。同社水素ステーション部の瓶子裕之グループリーダーは「燃料電池車が一般に広がるのはこれからと思われるが、インフラの面から普及を後押ししたい」と力を込めた。

 一方、水素の運搬、流通に目をつけた開発に取り組んでいるのが、自動車・建設機械部品のプレス工業(川崎市川崎区)だ。水素の製造・貯蔵装置のフレイン・エナジー(北海道)と共同で製品化に取り組む移動式脱水素装置の仕組みを、模型などで紹介。

 常温・常圧で貯蔵できる有機ハイドライドと呼ばれる液体から水素を取り出せる装置で、移動させることでどこでも水素の供給を開始。利便性が大きいとみられる技術だ。

 同社は「有機ハイドライドは体積が気体水素の500分の1以下にあたり、脱水素装置が介在することで、水素の大量保管ができるようになる。ステーションの供給能力や利便性の向上に寄与していける」と語った。

 水素ステーションに関する製品では、燃料電池車に水素を供給するディスペンサーと呼ばれる設備「トキコ ネオライズ」をアピールしたのが、日立オートモティブシステムズメジャメント(横浜市鶴見区)だ。

 高精度で安定した充填性能に注力したほか、内部装置の小型化で高さ219センチ、幅160センチ、奥行き65センチまで省スペースを実現。2014年度から外販し、全国17台と徐々に導入実績も増やしてきており、ブースには海外からの来場者も多く足を止めていた。

 経営企画部の与安光晴部長は「普及が期待される燃料電池車への対応はもとより、ガソリン車や電気自動車など1カ所でさまざまなクルマへのエネルギー供給ができるマルチステーション対応の提案をしていきたい」と説明した。

 生活場面での水素の活用でアイデアが光ったのはメーカーや研究機関などに研究開発用燃料電池を販売しているケミックス(相模原市南区)だ。ボンベから水素を送り込むことで発電する燃料電池を活用した発電機システムを披露。福井県のメーカーなどと共同開発中で試作品の段階だが、排ガスや振動を出す既存のガソリンエンジンの発電機に対し、排出は水のみで低騒音を実現。サイズも高さ約48センチ、幅62センチ、奥行き32センチで、持ち運びが可能だ。

 同社デザイングループの清水建博さんは「(製品価格は)まだかなり高価だがコストダウンに取り組み、工事現場の照明やオフィスなどの非常用電源に使ってもらいたい」と説明。20年までの早期の発売を目指しているという。


ボンベから送られた水素の化学反応から電気を取り出すケミックスの燃料電池発電機システム=東京都江東区
ボンベから送られた水素の化学反応から電気を取り出すケミックスの燃料電池発電機システム=東京都江東区

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