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平塚署の「駐在さん」定年退職
35年間ありがとう 児童ら感謝の花束

話題 神奈川新聞  2016年03月04日 15:30

児童とPTA会長から感謝の花束を受け取る佐山さん(左)=平塚市立真土小学校
児童とPTA会長から感謝の花束を受け取る佐山さん(左)=平塚市立真土小学校

 平塚市の郊外で35年間にわたり地域を見守ってきた「駐在さん」がこの春、定年退職を迎える。初任地の平塚署で、地域部門ひとすじに歩んできた真土駐在所勤務の警部補・佐山義則さん(60)。3日には地元の市立真土小学校でお別れの会が催され、親子2世代でお世話になった児童たちから花束と感謝の言葉が贈られた。「ありがとう。これからも安全に過ごしてください」。惜しまれながら愛着の地を去る佐山さんは、笑顔で警察官生活を終える。

 「家賃ゼロで、新築一戸建てで暮らせる。子どもが2歳だったから、庭で遊ばせられると考えた」

 35年前を冗談めかして振り返る佐山さんだが、これまでの警察官人生で貫いてきたのは、「原点である地域に根差した活動をしたい」との思いだった。

 1975年4月に県警に採用され、初任地の平塚署で派出所勤務などを経て、81年2月に新設された真土駐在所に赴任。畑が広がる風景から住宅街へと変わっていった管内で、遺失物の届け出やパトロール、事件事故への対応、地域の催しへの参加など、さまざまな職務をこなしてきた。

 「住民のため、自分が知っていることをすべて伝える」。そんな思いを胸に、そこで暮らす人たちの信頼を得てきた毎日。2011年には事件事故や遺失物などの取扱件数が県内トップの「神奈川で一番忙しい駐在所」となり、市民の命と暮らしを守る仕事への使命と誇りを感じながら地域中を駆け回ってきた。

 また、「2人で一人前。それが駐在所の働き方だと思う」というように、妻の静枝さんに支えられた日々でもあった。佐山さんが外出する際は「駐在所を空にはできないので、いつも留守番」(静枝さん)で、スーパーで買い物中に窃盗の容疑者を見付けるなど、事件解決に貢献したこともあったという。

 3日、真土小の校庭には全校児童ら約500人が集まり、佐山さんに感謝の思いを届けた。代表の女子児童は「佐山さんのおかげで安全なまちになりました」。男子児童と花束を贈ったPTA会長の吉岡貴弘さん(43)は「佐山さんはとても温かい人。子どものころに注意され、『後で駐在所に来い』と言われて一緒に掃除をしながら話をした」と自身の思い出を振り返り、長年の労をねぎらった。

 後任の駐在員は9日に着任する。佐山さんは「住民のために身を粉にして頑張ってもらいたい」とエールを送った。


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