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10年目迎えラスト公演 中区の2幼稚園
命の尊さ園児熱演 27日、ミュージカル「月のうさぎ」

話題 神奈川新聞  2016年02月23日 10:16

「月のうさぎ」の公演に向けて練習する園児を見守る、つる見理事長(右) =アソカ幼稚園
「月のうさぎ」の公演に向けて練習する園児を見守る、つる見理事長(右) =アソカ幼稚園

 「月にウサギがいる」という仏教説話を基に、横浜市中区の二つの幼稚園の園児が演じる創作ミュージカル「月のうさぎ」が、27日に迎える10年目の公演で終了する。保護者やプロの音楽家も参加した地域ミュージカルに成長したが、舞台を引っ張ってきた理事長夫妻が高齢を迎え、惜しまれつつ幕を閉じることになった。

 月のうさぎは姉妹園に当たるアソカ幼稚園と和光幼稚園の年長組の計約100人が出演し、上演時間は1時間20~30分に及ぶ大作。32年目を迎える「アソカ和光フェスティバル」のメーンイベントとして2007年から公演してきた。

 お経を探す旅に出て空腹で動けなくなった親子と、お経を教えてもらうために食べ物を探す動物たちの物語。多くの動物が木の実や魚などを持ち寄る中、唯一食べ物を見つけられなかったウサギは自分の肉を食べてもらおうとたき火に飛び込む。それを見ていた月は優しいウサギの心を伝えるため、自身にその模様を描いた-。

 脚本の原案は幼稚園の母体となる浄土真宗大谷派の僧侶らが構成。かけがえのない命や他者を思いやる気持ちを込めた歌は幼稚園職員だった僧侶が作詞した。作曲家の田鹿ゆういちさん、ピアニストの泰輝さんに作曲を依頼した。

 共感の輪が広がり、音大出身の保護者や知人の音楽家らが楽器演奏やコーラス指導を担うようになった。母親のコーラスや演奏に合わせた園児たちの熱演は観客を魅了し、クライマックスでは会場が一体となって感動を呼び起こしてきた。

 舞台照明や音響などはプロに依頼。会場の利用料など経費の一部はバザーの売り上げや市内企業の協賛金で賄ってきた。「関係者も多くなり、終わりますとなかなか言い出せずにいたが、高齢を迎えたことで10年目の公演が節目だと思った」と、アソカ幼稚園理事長の※つる見紘(ひろむ)さん(73)。妻で教頭の美智子さん(74)とともに「命が脅かされる時代になりつつある今だからこそ、命の尊さや思いやりの心は大切になってくる。園児たちは舞台に込められたメッセージをこれからの人生の糧にしてほしい」と期待する。

 公演は今回で終わるが、来年以降も何らかの形で「月のうさぎ」の精神を引き継いでいきたい考えだ。

 磯子公会堂(JR磯子駅徒歩5分)で午前10時半と午後2時の2回上演。観覧無料(要事前予約)。問い合わせは、アソカ幼稚園電話045(228)8800。
 
※つるは雨かんむりの下に、隹(ふるとり、左)と鳥


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