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“本物の音”被災地に NPO法人、菓子持ち込み演奏会

話題 神奈川新聞  2016年02月23日 02:00

NPO法人「あっちこっち」が毎月開く被災地でのコンサート=2015年4月、福島県いわき市
NPO法人「あっちこっち」が毎月開く被災地でのコンサート=2015年4月、福島県いわき市

 音楽やアートを身近に触れてもらおうと活動するNPO法人「あっちこっち」(横浜市中区)が、東日本大震災の被災地を毎月訪れ、演奏会を開催している。本物の音楽を、リラックスできる環境で提供しようと、音大生らが演奏し、手作りの菓子を持ち込む。厚地美香子理事長(48)は「音楽の可能性を感じるコンサート」と話す。

 厚地さんは音大卒。大手音楽事務所を退職後、起業を目指していたころ、大震災が発生。現地でボランティア活動にあたった男性から、「今後は長期の精神的支援が必要となり、音楽は癒やしになるのでは」と、背中を押された。震災発生の半年後からカフェ式コンサートを始めた。

 演奏会を開く中で心掛けていることがある。

 一つが“本物”を提供すること。プロを目指す音大生らを連れて、仮設住宅や公民館を訪れる。「普段、社会との接点の少ない学生も被災地支援につながると一生懸命に演奏し、来場者も目を輝かせて聴いている」という。

 音大生時代から計5回参加しているピアニストの青木智哉さん(26)=千葉県=は「泣き出したおばあちゃんもいた。感動を届けることができたように思え、自信になった。音楽演奏が社会貢献につながることを実感した」と話す。

 心掛けることのもう一つが、「奉仕の気持ちを忘れず、押し付けにならないこと」。車に積んだ菓子とコーヒーを提供し、リラックスできる時間を設ける。毎回ボランティアを募り、100個以上の菓子を手作り。その最中にはコンサートの映像を流し、現地の状況を説明する。

 2013年8月にNPO法人を設立。音楽をさまざまな場所に届けたい思いと自分の名字にちなんで法人名を付けた。演奏会は120回を超え、観客の中からコンサートを運営する現地スタッフも現れた。観客とボランティアが書き込むノートは3冊目。一方、被災地への関心が薄まっていると感じ、「人ごとではない。一人一人が考えるべきこと」と訴える。

 今月27、28日予定の次回演奏会に向けた菓子作りは25日、同市中区の竹之丸地区センターで開く。支援金として、参加費1口1500円。問い合わせは、厚地さん電話090(1261)1308。


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