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川崎中1殺害 20日で1年 「助けられずごめん」

社会 神奈川新聞  2016年02月21日 02:00

雨が降る中、遺体が発見された多摩川河川敷で花を手向ける人たち=20日午後、川崎市川崎区
雨が降る中、遺体が発見された多摩川河川敷で花を手向ける人たち=20日午後、川崎市川崎区

 川崎市立中学1年の少年=当時(13)=が殺害された事件から1年を迎えた20日、多摩川河川敷の遺体発見現場には多くの人々が絶え間なく訪れた。「さみしくて無念だったろう」「絶対に忘れない」-。手向けられた花が冷たい雨でぬれ、線香の煙が漂う中、中高生の友人や同年代の子を持つ親たちが笑顔の遺影に手を合わせ、冥福を祈った。

 雨にぬれたほほに、一筋の涙がつたった。「この一年間ずっと、助けられなくてごめんねという気持ちだった」。会社員の女性(20)はたまらず、両手で顔を覆った。

 殺害された少年は弟の同級生だった。自宅に遊びに来たことも何度もあり、「ご飯を一緒に食べたり、恋愛の話をしたり」。愛犬が死んだときには、LINE(ライン)で連絡をくれる優しい子だった。

 事件の約1カ月前の夜、近所で少年を見かけた。いつもとは違う見知らぬグループと一緒だったのが気になったが、そのまま通り過ぎた。「今考えると、逮捕された少年もいたのではないか」。あのとき一声掛けてあげれば結果は違ったのではないかと、今も自責の念は消えない。この日は、親友を失った悲しみを受け止めきれずにいる弟の分も冥福を祈った。

 息子が殺害された少年と同い年という東京都稲城市の会社員丸山実さん(48)は「事件後、子どもともっとコミュニケーションを取ろうと思った。何かあれば、子どもも親にもっと言ってほしい」と話した。


現場となった河川敷には、多くの人たちが花を手向けた=20日午後、川崎市川崎区
現場となった河川敷には、多くの人たちが花を手向けた=20日午後、川崎市川崎区


 殺害された少年は昨年2月20日未明、多摩川河川敷で多数回にわたって首を切られた上、冷たい川を泳がされ、早朝に遺体で発見された。

 殺害に関わったとして3人の少年が逮捕され、うち殺人と傷害の罪に問われた無職少年(19)は今月10日、横浜地裁で懲役9年以上13年以下の不定期刑が言い渡された。傷害致死罪で起訴された18歳の少年2人の裁判は、今後開かれる。

教員ら再発防止へ議論


 「殺害された少年の冥福を祈り、二度とこのような事件を繰り返さないという思いを胸に、黙とうをささげたいと思います」

 川崎市教育文化会館(川崎区)で20日に開かれた第12回市地域教育会議交流会の冒頭、市内全域から参加した約120人の住民や教員、PTA会員らは黙とうし、殺害された少年を追悼した。事件後1年間の取り組みを振り返り、再発防止に向けた議論を深めた。

 現場からの報告では、中学教員が「子どもたちはネットで大人や他校の生徒とつながり、保護者や教職員、地域から見えない世界をつくっている」と指摘、「大人が見える子どもの居場所をつくるべき」と強調した。青少年指導員は「情報交換や合同パトロールなど他団体との連携が増えた」としつつ、「もっと意見を言い合える関係が必要」と訴えた。


遺体が発見された多摩川河川敷=20日午後、川崎市川崎区
遺体が発見された多摩川河川敷=20日午後、川崎市川崎区

現場となった河川敷には、多くの人たちが花を手向けた=20日午後、川崎市川崎区
現場となった河川敷には、多くの人たちが花を手向けた=20日午後、川崎市川崎区

現場となった河川敷には、多くの人たちが花を手向けた=20日午後、川崎市川崎区
現場となった河川敷には、多くの人たちが花を手向けた=20日午後、川崎市川崎区

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