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役員の過失認めず 笹子トンネル訴訟 請求棄却

社会 神奈川新聞  2016年02月17日 02:00

判決に悔しさをにじませる石川さん(左)=横浜市中区
判決に悔しさをにじませる石川さん(左)=横浜市中区

 中央自動車道笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故で、死亡した9人のうち20代の男女5人の遺族が、トンネルを管理する中日本高速道路(名古屋市)と点検担当の子会社の当時の役員4人に計2400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、横浜地裁であった。市村弘裁判長は「職務に重大な過失があったとはいえない」として、請求を棄却した。

 事故をめぐる2件目の判決で、役員らの過失の有無が争点だった。原告側は控訴を検討している。

 市村裁判長は判決理由で、役員らは2012年12月の事故の時点まで天井板の構造や過去の点検結果などについて認識していなかったとして、「事故は予測できなかった」と指摘。「役員らが点検担当の部署を現実に指揮・監督していたとは認められず、(事故を防ぐ)抜本的な対策などを指示しなかったからといって、直ちに過失があったとはいえない」とした。

 また、会社法の規定に基づく責任についても、中日本は点検要領の作成や改訂などを行っており、内容自体も問題があったとはいえないとし、「通行者の安全の観点から点検の設定などができる態勢が一応構築されていた」と結論付けた。

 判決を受け、石川友梨さん=当時(28)=を亡くした父信一さん(66)は「残念の極み。これでは(事故の)責任の所在が明らかにならない」と悔しさをにじませた。

 中日本の金子剛一元社長は会社を通じ、「事故で大切なご家族を失われたご遺族の皆さまに、あらためて深くおわび申し上げます」とコメントした。

 同じ遺族が会社に対して起こした別の訴訟では、地裁は昨年12月、「事故は予測でき、より入念な方法で点検を行う注意義務を怠った」として、2社に対して遺族に計約4億4千万円を支払うよう命じ、判決は確定している。


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