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28歳の高梨晃さん
足柄茶品評会で優等賞 4代目、修業の成果

話題 神奈川新聞  2016年02月16日 15:34

足柄茶品評会で最高位となる優等賞を受賞した高梨晃さん(右)と、父で高梨茶園代表の孝さん =秦野市菩提の同園
足柄茶品評会で最高位となる優等賞を受賞した高梨晃さん(右)と、父で高梨茶園代表の孝さん =秦野市菩提の同園

 ことしの県茶業振興大会の足柄茶品評会で、高梨茶園(秦野市菩提)の高梨晃さん(28)が最優秀となる優等賞を受賞した。1953年に曽祖父が創業した同園では初の快挙。今回の受賞で2年後には同園の「4代目」となることも内定した。高梨さんは「20代のうちにトップを取りたかった。(受賞は)自信になる」と確かな手応えを感じていた。

 同大会の会場内には県内各地からえりすぐりの足柄茶の荒茶がズラリと並んだ。高梨さんの茶葉はうま味を示す「滋味」の項目において出品64点中、唯一の満点を得た。

 「審査の最後は味の差になる。活力のある若い木を使い、一番味が乗っていて形状が美しい状態の時に優先して摘ませてもらった」と高梨さん。経営を考えれば、手間を掛けたいい茶葉は通常の生産・販売ラインに回したい。だが父で同園代表の孝さん(59)も「いい茶園からいい茶葉も出さないと。評価してもらうことが一つの物差し」と、息子の挑戦を後押しした。

 自宅にある製茶工場や約3ヘクタールの茶畑は幼少期からの“遊び場”。茶園を引き継ぐことは自然の流れだった。高校卒業後は静岡県内の茶園後継者らが通う野菜茶業研究所に進み、さらに茨城県の茶園農家に住み込みで2年間修業し、技術と知識を刻み込んだ。

 6年ほど前に実家の茶園に戻り、現在は工場・製造担当。満点の「滋味」は、茶畑の土にススキやわらを混ぜて柔らかくし、空気を通らせることで肥料の効果を最大限に引き出したことがつながった。これまでの修業の蓄積によって引き出されたともいえる。

 「不器用なので、学生のころから茶葉のない時期でも冷凍させたものを使うなど、他の人の倍は練習してきた」と自負する手もみ技術では、すでに2010年の全国手もみ茶品評会で1等賞の評価を受けている。茶葉本来の味が評価される今回の品評会での優等賞は、まさに宿願だった。

 受賞がきっかけとなり、2年後には孝さんから茶園代表を引き継ぐことになった。「いいお茶はできるようになった。今後は茶摘みや農業体験など、お茶に触れてもらう機会をつくっていきたい」と高梨さん。曽祖父から続くのれんを守り、さらなる“お茶文化”の普及へ意気込む。


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