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【意見陳述・被害者の母親】「すべての苦しみを犯人に味わわせたい」 川崎中1殺害

社会 神奈川新聞  2016年02月04日 22:46

 川崎市川崎区の多摩川河川敷で昨年2月、市立中学1年の男子生徒=当時(13)=が殺害された事件で、殺人と傷害の罪に問われたリーダー格の無職少年(19)の裁判員裁判が4日、横浜地裁(近藤宏子裁判長)で開かれ、男子生徒の母親が意見陳述した。「言いたいのはただ一つ。息子を返して」と訴えた。

意見陳述-被害者の母


 男子生徒の母です。息子は平成13年4月、きょうだいの中では一番小さい3300グラムで生まれました。夜泣きをせず、おっぱいをよく飲みました。よく飲み、よく眠り、手の掛からないおとなしい子でした。

 体はきょうだいの中で一番弱く、熱を出し、ぜんそく持ちで病院によく連れて行きました。正月にもぜんそくで入院し、その時、私は長女を妊娠していました。先生に何とかお願いし、不安そうな息子に付き添いました。熱のない時の息子はとても活発でよく遊び、団地の公園で夕方まで走り回っていました。友達もたくさんいました。

 年長で隠岐に引っ越しても、すぐに溶け込みました。ある時、ぜんそくの発作を起こし、その時は免許もなく、タクシーもこちらのように通っておらず、電話で運転手を起こして迎えに来てもらいました。せきが止まらず、点滴などをしましたが、その時は生きた心地がしませんでした。

 息子はお調子者で落ち着きがなく、「ママ、ママ」といつもニコニコして、チョロチョロしていました。争いが嫌いでけんかをしたことは聞いたことがありません。授業参観に行くと、私の姿を見つけて、ニコニコするので前を向くように先生から注意をされ、恥ずかしくもうれしい気持ちがありました。

 小3の時、息子は陸上大会の800メートルの選手に選ばれました。「ママ、絶対に見に来てね」と言われ、朝早く起きてお弁当を作り、見に行きました。息子の姿を見た私は緊張していましたが、スタートするとあっという間にトップに立ち、最後まで持たないと思いましたが、スピードは落ちず、そのまま独走してトップでゴールしました。興奮した私は息子の名前を叫んで泣いてしまいました。周りももらい泣きしていました。その後、息子は「走るの大好き」という作文を書き、文集に載りました。この間、久々に読んで涙が止まりませんでした。

 それで自信が付いたのか、息子はミニバスケットボールを始めたいと言ってきました。剣道もやっていましたが、弱音を吐かずに頑張っていました。

 「ママ」と呼んでいるのを友達からからかわれ、これからは「母さん」「母ちゃん」と呼ぶようにすると言い、私は成長がうれしい半面、少しさみしさもありました。

 剣道を辞めてミニバス中心になり、とてもハードな練習でしたが、弱音をはかず練習していました。「きゃーきゃー」と応援し、同級生で有名な親ばか、マザコンでした。

 試合で「しっかりやれー」と言うと、息子はこっちを見てしまい、試合に集中できないから、他のお母さんから「静かに」と注意されたこともありました。

 小5で副キャップに選ばれ、そのころ私は夫と長女のことで悩み家にひきこもっていました。

 ミニバスの母親仲間に、息子のバスケの調子上がってきているんだから、ちゃんと見てあげてと怒られました。それからミニバスに集中し、息子の練習を最初から最後まで見ていました。息子のおかげで私は立ち直ることができました。

 「母さん母さん、シュート何本入ったよ」。息子はいつも私を喜ばせるために頑張っていました。息子はいつでも自慢の息子でした。隠岐大会で優勝し県大会に出場。優勝カップと一緒に取ったその写真が、一番好きです。

 夫と離婚することになり、ミニバスを辞めて、川崎に帰ることになりました。息子は「母さんと一緒に行く」と言ってくれたけれど、転居先でたくさんの友達がいたので、さみしそうでした。

 私は川崎で

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