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減災力向上へ改善を 補助金制度見直しなど 包括外部監査

社会 神奈川新聞  2016年02月04日 02:00

 川崎市の包括外部監査人(青山伸一公認会計士)は3日、福田紀彦市長と石田康博市議会議長に2015年度包括外部監査の結果を報告した。「防災に関する事業」をテーマに外部監査を行い、事業の減災効果を高めていくため、備蓄倉庫の保管物資の適切な管理や交付実績が少ない密集市街地改善の補助金制度の改善などを求めた。

 東日本大震災以降、防災行政が大きく見直されてきたことから監査テーマとして選定した。総務、消防、健康福祉局など8局と各区役所、市消防防災指導公社の事業を対象とした。

 重要性の高い「指摘事項」は16項目。「消火用具整備」では、市が全備蓄倉庫に配備する消火ホースキットについて、訓練時に自主防災組織のメンバーがパーツの組み立てに手こずっていた点を指摘。「いざというときに有効に使用されなければならない」と指摘し、初期消火の効果を上げるために訓練指導の徹底を求めた。

 自力で避難することが困難な高齢者や障害者からの登録希望を受け付ける「災害時要援護者緊急対策事業」では、区役所が地域の町内会や自主防災組織に希望者の名簿を提供しているが、訪問した結果を区が把握していない点を指摘。「要援護者を訪問し共助の関係を深めることが必要」とし、市に訪問実績の確認などを求めた。

 防災に関する各種講習を行う市消防防災指導公社(職員24人)には「典型的な市のOBの受け皿法人でノウハウが蓄積しない」とし、プロパーの雇用など組織体制の見直しを求めた。

 改善が望まれる「意見」は110項目を挙げた。パンクしたリヤカーや30年前の消火器が置かれた備蓄倉庫があり、適切な管理が必要▽市南部で浸水予想区域にある備蓄倉庫は津波時を考え、より標高の高い倉庫に集中的に保管することも考えるべき▽密集住宅地整備促進事業などは補助金の交付実績が著しく少なく根本的な見直しが必要-などと求めた。

 青山氏は「不適切な財務処理は見当たらなかったが、自助、共助、公助の効果を高めるために改善すべき点はある」と説明。福田市長は「監査の結果は内容を十分精査した上で必要な措置を講じたい」とのコメントを出した。


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