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【検察側冒頭陳述】「報復されると思い犯行」 川崎中1殺害

社会 神奈川新聞  2016年02月02日 11:53

 川崎市川崎区の多摩川河川敷で昨年2月、市立中学1年の男子生徒=当時(13)=が殺害された事件で、殺人と傷害の罪に問われたリーダー格の無職少年(19)の裁判員裁判が2日、横浜地裁(近藤宏子裁判長)で始まった。

 検察側は冒頭陳述で、殺害事件の動機について「頰を数回切り付けた後、中途半端なまま帰すと報復されると思い殺害することにした」と指摘した。

検察-冒頭陳述


 事件の説明とともに事案の概要を説明します。リーダー格の少年Aは平成27年1月17日未明、横浜市港北区日吉本町の駐車場で数回拳でたたいてけがをさせた傷害事件と、2月20日未明、川崎市川崎区の河川敷で、2名とともに男子生徒を殺害した殺人事件があります。2件の関係を説明するため、日吉事件、川崎事件と呼んでいきます。

 日吉事件は被告人1人で犯行を行い、川崎事件は共犯者の2人とともに事件を起こした。共犯者は少年B、少年Cと呼んで説明していきます。

 少年Aが起訴内容を認めたように、日吉事件は1人で起こしました。少年Aとはどのような関係か。少年Bは少年Aの1学年下で当時16歳。友人の紹介で知り合い、ゲームセンターで一緒に遊ぶようになりました。

 少年Cは中学、高校の同級生で少年Cの家で一緒にお酒を飲むなど、親しい友人として交わっていました。

 少年Aと男子生徒の関係は平成26年12月、共通の友人を通して知り合い、ゲームセンターで遊ぶ仲でした。少年Aは少年Bと知り合い、友人数人はゲームセンターで一緒に遊んでいました。

 (男子生徒と)少年Cは事件前に1度顔を合わせたぐらいで、交友関係はありませんでした。

 日吉事件について説明します。

 平成27年1月16日夜、少年Aは男子生徒や少年Bら仲間6人と川崎市内で遊んでいました。自転車と電車で日吉駅に向かうことになり、少年Aたちは自転車で、男子生徒たちは電車で向かった。電車の到着が遅れ、少年Aは日吉駅で1時間ほど待たされています。17日未明、コンビニで酒を買って飲酒していたが、電車が遅れたことや、男子生徒の態度にイライラしていたことや、年下なのになれなれしい態度が気に入らない、ということから男子生徒ら2人を駐車場に連れて行き、2時から2時半ごろまでの間、男子生徒の顔をなぐり、2週間のけがを負わせました。

 顔にあざができたことで、親や知人から原因を聞かれたが、「けんかの仲裁に入った」「酔っぱらいに殴られた」と説明していました。知人からしつこく聞かれたので、男子生徒は仕方なく日吉事件のことを話しました。

 知人が少年Aの家に押しかけて少年Aに理由を問い詰めたことがあり、少年Aの親が警察を呼ぶこともありました。少年Aは、男子生徒が知人に話したことに怒りを募らせていました。それが2月19日夜の川崎事件になりました。
 
 19日、少年Aは少年Bと少年Cとゲームセンターに行ったあと、少年Cの家で酒を飲もうということになりました。少年Cの家や近くの中華料理屋で酒を飲んでいました。

 少年Bは少年Aや少年Cと話していたとき、少年Bの携帯電話に男子生徒から一緒に遊ぼうと連絡がありました。少年Bが男子生徒の誘いを断りましたが、何度も電話がかかってきたので、少年Bは少年Aに話してしまいました。少年Aは少年Bに、少年Aや少年Cがいないことにして男子生徒を呼ぶようにいい、少年Bは間に入って呼びました。

 少年Bは20日午前0時ごろ、川崎市のレンタルビデオ店で男子生徒と会い、川崎大師駅前の神社で少年Aや少年Cと合流しました。

 少年Aは、男子生徒の携帯を取り上げて移動し、日吉事件での「告げ口」を追及しました。最初は認めなかったので、少年Aは男子生徒の顔を裏拳で1回たたきました。男子生徒はそれで認めましたが、その態度に少年Aは腹を立てて、人気のないところで暴力を振るうために多摩川の河川敷に向かいました。

 少年Aは少年B、少年Cと男子生徒を連れて河川敷に着きました。少年Bだけはそれからコンビニに向かいました。

 少年Aは、多摩川に男子生徒の携帯を投げました。男子生徒を押し倒して馬乗りになり、少年Cがカッターナイフを差し出しました。少年Aは恐怖を与えようとしてナイフを顔に当てて、数回顔を切りつけました。血がしたたる顔を見て、中途半端な傷で帰せば逮捕されたり、報復されたりすることがあると思い、男子生徒を殺害しようと思いました。

 少年Aは男子生徒の腕を切りつけ、首を切りつけました。少年Bをコンビニから呼び出し、少年Bは促されて男子生徒の首を切りつけ、少年Cも首を数回にわたって切りつけ、顔をコンクリートに打ち付けたりしました。

 少なくとも2回、男子生徒を多摩川で泳がせたりした。男子生徒が半分水につかったまま動かなくなったので、男子生徒をそのまま置いて、近くのコンビニでライターオイルを買い、川崎市の公園で男子生徒の服や靴を燃やしました。少年AはCの家に戻り、誰にも言うなと少年Bや少年Cに口止めをしました。

 男子生徒は息をしていましたが、首を刺されたことによる出血性ショックで死亡し、20日午前6時20分ごろ、通行人に発見されました。 

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