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ヒストリー・25歳の大学生、小林直己
ホームストレート(中)取り戻した昔の自分 転機糧に「もう一度」

スポーツ 神奈川新聞  2016年01月27日 16:48

集団走で仲間を引っ張る東海大の小林直己(中央)=平塚市の東海大湘南キャンパス
集団走で仲間を引っ張る東海大の小林直己(中央)=平塚市の東海大湘南キャンパス

 周囲には大学進学を勧められていた。でも、家計を少しでも助けたかった。今思えば親孝行への思いが強すぎ、自身の判断を急かしていたのかもしれない。

 高校卒業後、陸上部がある地元の秦野市内の企業に就職した18歳の小林直己に待っていたのは、草が生い茂ったグラウンドだった。

 陸上部は部員が5人に満たず、「陸上好きが何人か集まって名前をもらっているだけ」という同好会程度。仕事は午前8時から午後5時、ときに3時間の残業もあり、練習時間は限られた。門の閉まった市内の陸上競技場の外周を夜間に一人、黙々と走り続ける日々を余儀なくされた。

 入社1年目こそ東日本実業団選手権の男子400メートルで6位入賞を果たしたが、タイムとモチベーションはみるみると下がっていった。2年目のタイムは400メートルを始めた秦野南が丘高(現秦野総合高)の2年のときよりも遅い51秒台まで落ち込んでいた。

 追い打ちをかける出来事が起きた。リーマン・ショックの影響による陸上部の廃部。ついに居場所を失った。

 「自分で諦めがついていないのに(競技を)やめるわけにはいかない」。2010年の暮れ、辞表を出した

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