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高齢者の絆つなぐ土いじり 自治会で菜園、好評で見守り活動にも

社会 神奈川新聞  2016年01月24日 11:27

農作業の後、交流を深める「野外サロン」の参加者たち(宮部さん提供)
農作業の後、交流を深める「野外サロン」の参加者たち(宮部さん提供)

 横浜市南区の六ツ川地区連合自治会が定期開催する「野外サロン」が住民の間で好評だ。自治会で借りている土地を耕して野菜を栽培、作業後はお茶を飲んで交流を深める。今では、収穫した野菜を販売する「朝市サロン」にも発展。1人暮らしの高齢者が外出するきっかけとなり、見守り合いの活動にもつながっている。高齢化の課題に直面する他の地域でも、自治会活動のヒントになりそうだ。

 住宅地の一角、野外サロンの場である約500平方メートルの土地には今、ダイコンやブロッコリーが育つ。原則週1回開催。手作りのテーブルもあり、参加者は農作業に汗を流した後、お茶を飲んだり、お菓子を食べたりして楽しいひとときを過ごす。

 開設は2011年。19の自治会を束ねる同連合自治会が1人暮らしのお年寄りの見守り活動を展開するにあたり、高齢化が進み、対象者が多すぎることや、見守る側の住民も高齢化している実態が浮き彫りとなった。そこで、発想を転換。高齢者に外へ出てきてもらうことで、互いに「見守り合う」方法として、考え出されたのだった。

 「家にこもりがちな人に出向いてもらうには楽しくなければいけないと考えた」と同自治会前会長の東梅良成さん(78)。マンション住まいや庭がなくて土いじりをしたい人は多いはずとの予想は的中した。

 当初、十数人だったメンバーは35人に増加。年齢は60~70代が中心という。作った野菜を地域の人たちにも食べてもらいたいと、12年秋には、月1回の「朝市サロン」に発展した。

 六ツ川は山坂が多く“買い物難民”が多数、存在する地域。朝市では収穫した野菜のほか、地元農家から仕入れた野菜を1個単位で販売する。運営は野外サロンのメンバー約30人が担い、農家との交渉や値付け作業を行っている。

 朝市当日はテーブルやいすを並べ、訪れた人がお茶を飲みながらくつろげるようにしている。「一番うれしいのは従来、地域との関わりがなかったが、野菜をきっかけに知り合ったり、自治会活動に参加するようになった人が増えていること」と中心メンバーの一人、宮部洋介さん(77)。運営する側にとっても、サロンは今や欠かせない存在となっているようだ。

 同自治会では、住民に協力を呼び掛けて生ごみを肥料化するプロジェクトや、地元の市立六つ川小学校で農業を教える取り組みも展開しており、「土によって、人と人とがつながっている」と東梅さん。今後も住民の輪を広げ、地域の高齢化に対応したいと考えている。


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