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先行投資で開発誘導
42万都市の未来 16年藤沢市長選(2)基盤整備

政治行政 神奈川新聞  2016年01月21日 11:06

リニューアルが予定されている藤沢駅北口のペデストリアンデッキ
リニューアルが予定されている藤沢駅北口のペデストリアンデッキ

 藤沢駅周辺の活性化に向け、藤沢市は昨年11月の市議会特別委員会で一つの調査結果を報告した。同駅の商業ポテンシャルについて、町田や浦和、船橋、立川、柏など類似環境にある首都圏10駅の比較をまとめたものだった。

 それによると、藤沢駅周辺の商業施設は1970年代までに開設された割合が突出して高いことが判明。最大店舗の売り場面積の比較でも格段に小さい実態が浮き彫りになった。

 市側は「古くて小さく、核となる施設が弱い」と分析。近隣の辻堂駅、海老名駅、平塚駅で大型商業施設の新設や計画が相次いでいることを踏まえ、「商業集積がこのままでは縮小均衡傾向にあり、攻めの視点も必要」と結論付けた。


 将来の人口減を見据え、藤沢市はこの数年、都市基盤整備に注力してきた。湘南の中核都市として今後も歩み続けるためにも、人や企業に選ばれるまちへ。それは、人口が維持され、財政にいくらか余裕のある今しかできないという危機感の裏返しでもあった。

 代表的な事例がJR辻堂駅北口の湘南C-Xの再開発事業だ。工場のあった広大な敷地に大型商業施設が進出、まちが劇的に生まれ変わった。市西北部の慶応大湘南藤沢キャンパス周辺では相鉄いずみ野線延伸に伴うまちづくり事業が、市東部の村岡地区でもJR東海道線の新駅設置構想が着々と進められている。

 そうした中で取り残された形となっていたのが、お膝元の藤沢駅周辺だった。鉄道3線が乗り入れる同駅だが、周辺の商業ビルをペデストリアンデッキや地下通路で結ぶ姿はこの35年間大きく変わらない。


 現状を打破するため、市は、足かけ10年に及ぶ再整備事業に着手。総額250億円を投じ、駅前の公共空間を一新する計画を打ち立てた。デッキや駅前広場のリニューアルをはじめ、南北自由通路の拡幅、小田急線の改札口の橋上化、地下通路のリニューアルなどメニューは多岐にわたる。

 事業目的について、市は「民間の投資マインドを刺激していきたい」と再三にわたり説明。都市基盤へ行政が積極的に先行投資し、近隣商業施設の自発的な再開発を誘発していく構想を思い描く。

 ただ、青写真通りに民間開発が誘発されるのか、大型店以外の商店街にまで効果が波及するのか、未知数の部分も残されたままだ。

 「アッシー」などの造語の生みの親で、藤沢駅周辺の活性化に取り組むマーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏は、成功の鍵は官民連携とした上で、こう指摘する。

 「民間が何を望み何をしたいのか、車座になって話し合うぐらいの熱意が行政には欠かせない。そうしないとせっかくの基盤も、見た目がきれいになったで終わってしまう。まちづくりはハードとソフト、そしてハートの三位一体で」


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