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〈時代の正体〉「虐殺」記述回復を 朝鮮人虐殺巡る副読本問題、横浜で集会

時代の正体 神奈川新聞  2017年01月15日 02:00

副読本を巡る横浜市教育委員会の対応を批判する後藤さん=かながわ県民活動サポートセンター
副読本を巡る横浜市教育委員会の対応を批判する後藤さん=かながわ県民活動サポートセンター

【時代の正体取材班=石橋 学】関東大震災における朝鮮人虐殺を「殺害」と記述する中学生向け副読本の問題を考える市民集会が14日、横浜市内で開かれた。原案になかった虐殺の史実は記載されることになったが、主催の「歴史を学ぶ市民の会・神奈川」(北宏一朗代表)は「『虐殺』の記述に戻るまで問題は解決しない」と訴えた。

 横浜市教育委員会が本年度発行する新副読本「ヨコハマ・エクスプレス」は朝鮮人虐殺について「根拠のないうわさが流れ、朝鮮人や中国人が殺害される、いたましいできごとも起こりました」と記述する。

 同会メンバーで元市立中学校教諭の後藤周さんは虐殺事件を詳述してきた副読本を横浜市議の意向に沿って改訂・刷新してきた市教委の対応を批判。「いまも災害のたびに流言は起きている。過ちを繰り返さないためには歴史に学ぶしかない。実相を表す『虐殺』の記述を回復し、学校現場できちんと教えられるようにするには、この間の市教委の対応の誤りを正す必要がある」と話した。

 田中正敬・専修大教授は教科書・副読本における虐殺の記述が後退してきた経緯を講演。「教科書・副読本は生徒たちの物だ。その中には犠牲になった同胞の子孫もいる。地域には多様なルーツを持つ生徒がおり、日本人しか想定していない教育のありようが問題だ」と指摘した。


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