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ヤゴから環境考えて 市内の記録中心に図鑑

社会 神奈川新聞  2016年01月06日 02:00

横浜での観察記録を基にヤゴの図鑑を出版した梅田さん(右)と写真を担当した渡利さん=神奈川新聞社
横浜での観察記録を基にヤゴの図鑑を出版した梅田さん(右)と写真を担当した渡利さん=神奈川新聞社

 横浜市内での観察記録を基に、平地で見られる主なヤゴをまとめた図鑑「身近なヤゴの見分け方」(世界文化社)を、横浜市緑の協会こども植物園ウエルカムセンター専門員の梅田孝さん(45)が出版した。「ヤゴは自然環境の指標。種類を見分けて、身近な環境保全につなげてほしい」と話している。

 梅田さんは20年以上にわたって、地元・横浜を中心にトンボの調査・研究・保全活動を続けてきた経験を生かし、4年前からヤゴ図鑑の準備を進めてきた。

 図鑑では、市内に現在生息している59種のほか、既に市内では確認できない種なども含めて、計72種のトンボの終齢幼虫(成虫になる前段階)を掲載。ヤゴの見分け方は難しいとされるが、水中の酸素を吸収する尾鰓(びさい)などで識別する方法を紹介している。

 梅田さんは「さまざまな場所を飛び回るトンボより、移動の少ないヤゴの方が自然環境の指標としては確実」と指摘。例えば水草に卵を産むイトトンボ科の中でも、キイトトンボなどのヤゴが見つかれば、その水辺は植生が豊かであることが分かるという。

 同じくプライベートでトンボの生態調査をしている横浜市職員の渡利純也さん(36)が写真を担当し、ヤゴも成虫もすべて生きた姿で撮影して、生体時に近い色彩で掲載した。

 図鑑出版に当たり、あらためて横浜のトンボを見直したところ、市内1カ所でしか生息が確認されていないものなど絶滅寸前の種も多いという。「ヤゴを通じて横浜の環境保全にも関心を高めてほしい」と梅田さんは話している。

 A5判カラー、128ページ。2200円。問い合わせは梅田さんjiropon.ume@jcom.home.ne.jp


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