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時代の正体〈238〉抗う憲法学者(上) 野党共闘へ「活動家」になる

時代の正体 神奈川新聞  2016年01月03日 09:40

全国各地を講演で行脚する小林さん。安保関連法が成立した昨年9月19日は横浜市内で講演した後、新幹線で九州へ向かった
全国各地を講演で行脚する小林さん。安保関連法が成立した昨年9月19日は横浜市内で講演した後、新幹線で九州へ向かった

 安倍晋三政権が憲法改正発議を緩和するため96条に手をつけようとするや「裏口入学」と痛烈な批判を浴びせ、改正手続きを経ずに解釈の変更で集団的自衛権行使容認に踏み切った閣議決定を「憲法泥棒」と指弾した。

 怒れる憲法学者、慶応大名誉教授の小林節さん(66)。その歯に衣(きぬ)着せぬ物言いは変わらぬどころか一層、熱を帯びる。

 「国民主権、平和主義、議会政治も殺され、憲法を無視する独裁政治が始まった。いま考えるべきは、史上最悪の政権をどう退場させるか、だ」

 圧倒的多数の憲法学者の「憲法違反」との指摘や反対世論をよそに安全保障関連法が成立をみてから4カ月余、人々の胸に灯(とも)った火を絶やすまいと全国を講演して回る日々を送っていた。

 民主主義、立憲主義の危機を感じ、多くの人が国会前に押し寄せたあの夏、紛れもなく、うねりの火付け役となった一人であった。

 参考人として立った衆院憲法審査会で憲法学者2人とそろって「法案は違憲」と断じ、波紋を広げたのは昨年6月3日。2日後、雨の国会前に足を運び、抗議デモを始めた学生団体SEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)を「君たちは正しいことをしている」と励ました。かつての自民党ブレーン、改憲論者として知られたその人の振る舞いは、そのまま危機感の大きさを映し出してもいた。

 いまも小林さんのもとには毎日1、2件の講演依頼が寄せられ、2日に1回のペースで登壇する。会場には立ち見も出る。

 「安倍首相に対する怒りは、多くの人の心の中で今も燃えている。法律は成立してしまったが、憲法を取り戻す闘いは始まったばかりだ」
 もう、壇上で憲法論議を語ることすらほとんどない。

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