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畑で実る交流の輪 港南区で社協が仲立ち

話題 神奈川新聞  2016年01月02日 02:00

サツマイモを収穫する参加者ら=横浜市港南区
サツマイモを収穫する参加者ら=横浜市港南区

 横浜市港南区内で、孤立しがちな認知症患者や不登校者らと地域の人たちの農作業を通じた交流が広がっている。地主から土地を借り受けるなど、区社会福祉協議会が仲立ち役を果たしている。

 地域ケアプラザを通じて、同区下永谷に住む65歳の認知症男性から、区社協に相談が持ち掛けられたのは一昨年の4月。男性は趣味の農作業で茅ケ崎市内に畑を借りていたが、家族が心配して行くのを諦めた。デイサービスは周囲の年齢層が高くてなじめず、妻が働いているため日中は引きこもりがちだった。

 区社協の働きかけで畑や農機具の提供者が現れた。男性のサポート役は、区社協主催の退職者向け講座の受講者たち。メンバーらに福祉活動の経験はなかったが、大村邦夫さん(64)=同区上大岡東=は「男性に草むしりなどを手伝ってもらう中で、交流を深めた」と振り返る。専用スペースをもらった認知症男性は、喜々として作業に励んでいるという。

 収穫物の野菜を、畑近くのフリースペース「ゆる~り」に配達するなかで、スペースに通う若者とも交流が始まった。認知症男性も力を合わせてサツマイモを収穫し、シチューを堪能。「こんなに大勢でテーブルを囲むのは初めて」と喜ぶ声が聞かれた。

 市社協など主催で昨年12月11日に開かれた「第1回よこはま地域福祉フォーラム」の分科会で、畑で広がる交流の事例が紹介された。コーディネート役を務めた、日本社会事業大学の菱沼幹男准教授は「顔の見える関係を築いたことで交流が広まり、理解が深まった」とコメント。区社協は「小さなつながりを発展させて、地域の課題を解決していきたい」と手応えを口にする。


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