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暮れゆく簡宿街〈上〉火事がなければ、きっと一生ここにいた。

社会 神奈川新聞  2015年12月26日 02:00

火災を機に簡宿を離れ15年ぶりに始めたアパートでの1人暮らし=川崎市内
火災を機に簡宿を離れ15年ぶりに始めたアパートでの1人暮らし=川崎市内

 高度成長期は労働者の街として、その後は福祉の街として存在してきた川崎の簡宿。5月の火災で取り巻く環境は急変した。年の瀬に暮れなずむ簡宿街を歩いた。

 15年続いた簡易宿泊所での暮らしは、それほど悪くはなかった。

 読書とマージャンが趣味で、家族はいなくても友人がいた。テレビを見るにも料金が掛かり、部屋の電気は夜11時で消される。わずか3畳という狭さでも、雨露がしのげ、身の安全を心配することもない。路上生活の過酷さとは比ぶべくもなかった。

 「火事がなければ、きっと一生ここにいた」

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