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相模原の中小企業手掛けた製品も
町工場技術、宇宙へ

社会 神奈川新聞  2015年12月04日 15:17

「サーマルブランケット」を製作するクリーンルーム=相模原市緑区のクロスメディア
「サーマルブランケット」を製作するクリーンルーム=相模原市緑区のクロスメディア

 小惑星「りゅうぐう」に向け力強くスイングバイを行った小惑星探査機「はやぶさ2」。開発には大手メーカーから町工場まで多くの企業が携わり、その機体には開発拠点となった宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスが立地する相模原市内の中小企業が手掛けた製品も使われている。

 工場のボイラーなどの配管に取り付ける保温ジャケットの製造・販売を行うクロスメディア(相模原市緑区)は、大手総合化学メーカーの委託により、「はやぶさ2」の機体を過酷な宇宙環境から守る断熱ジャケット「サーマルブランケット」を製作した。

 宇宙空間では、直接太陽の光にさらされている部分の機体の温度は100度以上となり、光が当たらない部分はマイナス100度以下と、温度差が200度以上にもなるという。

 サーマルブランケットは、「はやぶさ2」の機体を覆う金色のフィルム。太陽からの熱を遮断して電子機器類への影響を防ぐ、いわば“宇宙服”の役割を果たす。

 同社では、委託元のメーカーが開発した断熱素材となる特殊なフィルムを10層前後重ね、ミシンで縫い合わせ、カッターで切るなどして図面通りに仕上げた。一点一点が手作業で、熟練した職人による精巧な仕事が小惑星探査を支えている。

 「はやぶさ2」の開発では、200点以上のサーマルブランケットを納品した。発注から納期までの時間が短く、担当する5人の従業員が、休日出勤や徹夜して間に合わせたという。

 3日夜、「はやぶさ2」がスイングバイを行ったとの一報を聞いた吾妻透社長(64)は「無事に行われてほっとした。私たちの製品が使われていることを誇りに思う」と喜んだ。


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