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自転車記者が行く・申年だけに回して

社会 神奈川新聞  2015年12月03日 11:11

神奈川唯一の猿回しの会社・戦豆の原田社長。元気な猿たちがはしゃぎ回るため、このカットを撮るのに5分近くかかりました=川崎市宮前区野川
神奈川唯一の猿回しの会社・戦豆の原田社長。元気な猿たちがはしゃぎ回るため、このカットを撮るのに5分近くかかりました=川崎市宮前区野川

 川崎に猿回しの会社があるなんて。行くしかない。来年は申年(さるどし)だし、記者は年男だし。

 宮前区野川の「戦豆(せんず)」さんにお邪魔した。普通のビルの2階にお猿さんの部屋と稽古場、3階に事務所がある。

 原田聡社長(40)は大手で基礎を学び、2008年に故郷の川崎で独立。なぜ猿回しだったのか。「動物学校に通っていて、就職で募集があったんですよ」。意外に普通。でもやってみたら魅了された、と。

 今は猿が9頭(3頭は引退)、猿回し師が5人。創業から支える椎名千惠美さんは「世の中、変わっている人がいるんですよねえ」。そういうご本人も、趣味で猿を4頭も飼っていたという筋金入りだ。

 猿回しは1人と1頭が「相方」となり芸を仕上げていく。二足歩行から始まり輪抜け、竹馬、高跳びなどの基本技を身に付け、新米は約1年で人前に出る。信頼関係を築き、猿ごとの個性を見抜いて生かすため、日々の稽古が欠かせない。

 稽古を見せてもらう。技を決めた猿が、得意げなのにクールなのがおかしい。「関係は漫才とかのコンビに近いですかね」と原田社長。なんでやねん。違うか。

 ただ、意外な壁があるという。子猿のうちはかわいいが、オスが大人になり発情期を迎えると「上」になろうと相方に歯向かう。それを押さえ込み、上下関係を保たなければならない。「これが大変で。ここで辞めちゃう人が多い」。群れの序列の中で生きるニホンザルならではだ。

 猿回しは縁起物とされ、古来親しまれてきた。現在は害獣駆除で捕まったり、猿山などの頭数整理などで行く先を失った猿が支えている。「伝統芸能として楽しんでもらうとともに、共存への願いを感じてもらい、もっと広まれば」と椎名さん。干支(えと)となる来年はきっと飛躍の年に。申年の記者も見習って、上司に回されよう。

 

2年前の2013年春まで横浜を疾走していた「自転車記者」が今度は川崎を走り回ります。佐藤将人と塩山麻美が担当します。歴史ある店、面白い人、変わった人、街の不思議…。何でも結構ですので情報提供、大歓迎。連絡先を明記の上、ファクス044(211)0555まで。


竹馬に乗って障害物をジャンプ。スキーのモーグルのような華麗さだ
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