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原発考える「寺子屋」に 横須賀・最光寺で研修会

話題 神奈川新聞  2015年11月30日 03:00

研修会を企画した最光寺の藤堂啓住職(左)と妻の織慧さん
研修会を企画した最光寺の藤堂啓住職(左)と妻の織慧さん

 原発問題について考えを深めてもらおうと、横須賀市野比の最光寺で、地域住民らを対象に全3回の研修会が始まっている。東京電力福島第1原発事故から4年半、いまだ続く放射能汚染水漏れや帰還困難者、原発再稼働などの問題を学び合う現代版「寺子屋」。藤堂啓住職は「この問題について、寺を開放して皆で考えたい」と話している。

 15日の初回で講師を務めたのは、「原子力行政を問い直す宗教者の会」に属する法伝寺(兵庫県篠山市)長田浩昭住職。本堂に集まった約50人が耳を傾けた。

 長田住職は、1975年に原発建設予定地として浮上した石川県珠洲市の問題を紹介。原発誘致をめぐり、推進・反対派に分かれた大論争の末、計画は2003年に凍結された。

 自ら反対運動に参加した長田住職は「原発に関わった地域住民は真っ二つに割れ、人間関係がバラバラにされた。こうした問題が全国各地にあるということを知ってほしい」。岸信介元首相の「核合憲論」を引き合いに、原子力が軍事目的で転用されかねない懸念や、被災地で甲状腺異常が増えていることなども指摘した。

 藤堂住職は東日本大震災の原発事故をきっかけに、原発問題についてより関心を抱いたという。「きちんとした知識を身に付けておかないと、子どもたちの将来がどうなってしまうか」。問題に詳しい講師を招き、地域住民らに広めていこうと決意した。

 最光寺では、死別で喪失感に悩む人々の話を聴き、寄り添う「グリーフ・ケア」なども開いてきた。今回の研修会を一緒に企画した妻の織慧さんは「『寺』という概念を超え、地域の皆さんとつながり、同じ一人の人間として開放していこうという気持ちが強い」とうなずく。

 藤堂住職は言う。「社会問題なので、もっと住職も自由にやっていいと思う。教えを広めることも含め、それが本来の寺の姿で、働きではないかと思う」

 第2回は来年3月5日、福島原発告訴団団長の武藤類子さん、第3回は同5月21日、チェルノブイリ原発事故を体験した歌手、バンドゥーラ演奏家のナターシャ・グジーさんを招く。定員100人、参加費500円。問い合わせは、最光寺電話046(848)1010。


長田住職(右隅)の話に耳を傾ける参加者=横須賀市野比の最光寺
長田住職(右隅)の話に耳を傾ける参加者=横須賀市野比の最光寺

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