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消防団員の定員確保 全国低迷も横浜最大・戸塚で

社会 神奈川新聞  2015年11月30日 03:00

消火器具について消防隊員から説明を受ける戸塚消防団の女性新入団員ら=横浜市戸塚区の市消防訓練センター
消火器具について消防隊員から説明を受ける戸塚消防団の女性新入団員ら=横浜市戸塚区の市消防訓練センター

 地域防災を支える消防団員が全国的に減少する中、横浜市内最大の戸塚消防団(定数760人)が担い手の確保に力を入れ、団員数が定数に達した。市内20の消防団で必要な団員を100%確保できたのは、西消防団(定数230人)に次いで2例目。女性の加入が大きく、斉藤耐(たえる)団長(73)は「今後の活動に弾みが付く」と新入団員の活躍に期待している。

 戸塚消防署によると、団員数は今年4月の段階で711人で、定数に対する充足率は94%だった。6~9月を団員確保の強化期間と位置付け、戸塚区内の事業所や自治会への勧誘を粘り強く続け、9月で団員数が760人に到達した。

 この間の新入団員の内訳は、男性21人、女性28人。女性の増加が目立つのは、湘南ヤクルト販売(藤沢市)が同消防署の方針に理解を示し、区内の販売センターに勤務するヤクルトレディが25人加入したためだ。販売センターのある地域を受け持つ分団に加入することができ、配達用のバイクも活用可能とあって、背中を押された人が多いという。

 その一人、山崎智子さん(51)は「東日本大震災で自分自身の備えの意識が変わったところもあるが、できる範囲で活動すればいいというので加入できた。救命方法を身に付け、地域の役に立ちたい」と今後の活動に意欲を示す。

 女性団員は94人で定数の1割強とまだ少ないが、20代の仲間もいる。山崎さんと同じ分団で長年活動する伊藤道子さん(66)は「女性の方が得意な部分もある。家庭を第一にしながら頑張ってほしい」。川邊智子さん(56)も「震災以降、救命講習の機会がすごく増えた。この時期に加入してくれてうれしい」と歓迎している。

高齢化、減少止まらず


 かつて全国で200万人を超えていた消防団員は、自営業者の減少や地域に対する関心の低下などを背景に減り続け、総務省消防庁の今年4月1日現在のまとめでは、85万9945人と1年前より4402人少なくなった。東日本大震災後、その役割が見直され、報酬や出動手当などの処遇改善も図られているが、減少に歯止めはかかっていない。

 県消防課のまとめでは、県内33市町村の消防団員総数は1万8099人(4月1日現在)。1年間で105人増えたものの、定員総数(2万83人)に対する団員の充足率は90%にとどまっている。

 「団員の平均年齢は上昇を続けており、特に若者が少ないのが課題」と県消防課。こうした中、別の地域から仕事で通ってくるサラリーマンを日中に活動する勤務地団員として確保したり、女性や学生の加入を促進する取り組みも徐々に広がっている。

 横浜市内では女性の入団が目立っており、全20消防団に今年4月までの1年間に増加した51人のうち、7割超の38人が女性だった。いち早く定員充足率100%を達成した西消防団は女性団員の比率が4割近くに達している。市消防局は本年度、消防団課を新設し、団員の確保に力を入れている。


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