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業績、環境要因で明暗 県内企業・15年9月中間

経済 神奈川新聞  2015年11月28日 03:00

 県内企業の2015年9月中間決算は上期ベースで最高水準の売上高到達が相次ぎ、業績拡大に向けた足取りを確かなものにする傾向が多く見られた。会社個々の努力とともに、進出先市場の変化や原油価格の動向、為替トレンドなど企業を取り巻く事業環境が影響した側面も小さくなかった。

 「競合他社の開発が遅れているようで、先行利益が大きい。下期も(自社製品が)強いと思う」

 空調機が主力の電機メーカー、富士通ゼネラル(川崎市高津区)は売上高、利益でいずれも上期最高を更新した。好業績の大きな要因に、斎藤悦郎社長が挙げたのが中東市場での拡販の成功だ。同地域では近年、国際的に高いレベルの省エネ規制が導入され、事業環境が一変。各社が対応製品の開発を迫られる中、同社は先駆け14年度から対応モデルを相次ぎ投入。今期上期の同地域の売上高(アフリカ含む)は前年同期の2倍超に達し、苦境を商機に変えている。

 進出先の市場の変化を捉えて着実に業績拡大につなげた例は、自動車産業で多く見られた。

 景気回復が進む北米市場の恩恵を受け、完成車メーカーの増産や対米ドルでの円安効果、原油安による小型トラックの需要増-といった好材料が揃い、ばね大手のニッパツ(横浜市金沢区)、プレス部品大手のユニプレス(同市港北区)、自動車向けプラスチック部品のニフコ(横須賀市)など県内部品メーカーも多くが増収増益に。

 自動車産業の活況の影響は生産設備の関連メーカーにも及んだ。塗装機器大手のアネスト岩田(横浜市港北区)では地域別売上高は北米、欧州がほぼ2割増えた。担当者は「(好調は)自動車のけん引が大きい。国内市場の回復も加わっている」と説明。海外市場は「米国や西ヨーロッパが堅調に伸びている」とした。

 原油価格も事業環境の大きな要因として業績を左右した。燃料に用いる海運業界では近年の高騰から一転し原油安が利益の改善に寄与。曳船(えいせん)事業を主力とする東京汽船(同市中区)は輸出減少で売上高が前年同期と比べ微減となったが、燃料費の大幅減などで営業利益が9割伸長した。同社は通期でも「燃料費は今より減るだろう」と期待を寄せる。

 原材料価格の動向が明暗を分けたのは製造業。減収減益だったサッシ大手の不二サッシ(川崎市幸区)は前年度からのアルミ地金の高値影響で主力のアルミサッシの原価が上昇。「売値に反映できず利益を圧迫した」と振り返った。自動車用車載の鉛蓄電池を手がける古河電池(横浜市保土ケ谷区)は営業利益が前年同期の約4・4倍に伸長。「鉛の原価低減が利益を押し上げる一因になった」と説明した。


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