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「にぎわい半年ぶり」 箱根、警戒レベル引き下げから初の週末

社会 神奈川新聞  2015年11月22日 03:00

早雲山駅と強羅駅を結ぶ箱根登山ケーブルカーに乗り込む外国人観光客ら=箱根登山鉄道強羅駅
早雲山駅と強羅駅を結ぶ箱根登山ケーブルカーに乗り込む外国人観光客ら=箱根登山鉄道強羅駅

 国内有数の観光地・箱根では21日、箱根山の噴火警戒レベルが最低の1(活火山であることに留意)に引き下げられてから初の週末を迎え、久しぶりのにぎわいを見せた。外国人観光客などに支えられ、宿泊者数は箱根町の調査で前年実績の8割程度まで戻ってきてはいるものの、公共交通の一部はなお運休が続き、箱根全域が復調する時期はまだ不透明感が残る。

 3連休初日となった21日。箱根登山鉄道強羅駅のホームは、ケーブルカーに乗ろうとする家族連れやカップルで混雑した。同社によると、5月に警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられて以来となる臨時便を1便出したといい、同社の職員は「本当に久しぶりのにぎわい」と喜んだ。

 「日本の方がやや戻ってきた印象」と胸をなで下ろしたのは、強羅地区の土産物店店主(59)。「レベルの引き下げをきっかけに国内観光客も戻ってきてくれれば」と期待した。日帰りで千葉県松戸市から訪れた女性会社員(26)は「(引き下げを聞いて)安心して来た。紅葉を楽しみたい」と話していた。

 同町の客足は、外国人観光客らに支えられて徐々に回復傾向にある。

 強羅地区の老舗土産物店の経営者は、外国人の来客を歓迎する。「国内旅行者が減っている分、『おかげさま』との思いがある」

 被災地からの支援も寄せられた。岩手県洋野町は町民の箱根への旅費の一部を独自財源で補助している。東日本大震災後、津波で使えなくなった大量の漁網の処理に苦慮していた際、広域処理を箱根町が受け入れた経緯からだ。今年9月には同町と姉妹都市関係にある北海道洞爺湖町からも、2000年の有珠山噴火災害支援に報いようと町長ら112人が箱根を訪れた。

 だが、警戒レベルの引き上げが交通事業者に与えた影響は小さくない。小田急電鉄の15年9月中間決算では、運輸業の営業収益が前年同期比2・1%減。一時全線で運休していた箱根ロープウェイだけでなく、箱根登山鉄道や箱根観光船などが軒並み前年割れとなっている。

 観光客の足でもある公共交通の不通は地域観光にも影を落とす。箱根ロープウェイは現在、芦ノ湖側の姥子-桃源台間で運転を再開した。だが大涌谷の立ち入り規制継続を受けて、早雲山-姥子間の運休は当面続ける。「本当に喜べるのは、ロープウェイが(全線で)動いた段階」。強羅地区の老舗旅館経営者の顔からは、厳しさが消えない。


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