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国内最大級 川崎区扇町の遊休地活用
昭和シェル売電拡大 廃材燃料プラント稼働 

経済 神奈川新聞  2015年11月10日 09:35

今月2日に稼働開始した昭和シェル石油の木質バイオマス発電所 =9日、川崎市川崎区
今月2日に稼働開始した昭和シェル石油の木質バイオマス発電所 =9日、川崎市川崎区

 石油元売り大手の昭和シェル石油(東京都港区)は9日、川崎市川崎区扇町で稼働開始した木質バイオマス発電所を報道陣に公開した。木質バイオマスとしては国内最大級の発電量といい、全量を東京電力に売電する。同社は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の見直しで来年4月に電力小売りが完全自由化される際、液化天然ガス(LNG)発電や太陽光発電に続く電力事業の柱とする考えだ。

 同社がバイオマス発電を手掛けるのは初めてで、運営は完全子会社の「京浜バイオマスパワー」(同区)が担う。子会社の製油所跡地4万2千平方メートルを利用し、昨年5月に着工。総事業費は約160億円。2日に営業運転を開始した。

 出力は4万9千キロワット。年間発電量は約30万メガワット時で、一般家庭約8万3千世帯の年間消費量に相当する電力を供給できるという。売電収入は非公表。燃料には木質ペレット(廃材でつくった木材チップ)やパームヤシ殻を用い、燃料として使用する約22万トン分は、カナダや東南アジアから輸入するという。

 原料となる木質チップは隣接する埠頭(ふとう)からベルトコンベヤーで直接、敷地内の燃料棟に運び入れる。燃焼時に発生する蒸気の圧力でタービンを回し、1万1千ボルトの電気を発生させた後、6万6千ボルトに昇圧させてから東電へ提供する。

 石油プラントの統廃合で発生した遊休地の活用を図る同社。電力需要の多い首都圏に立地する京浜地区を電力事業の重点地域と位置付け、2003年以降、火力発電所や太陽光発電所などを同地区に相次いで展開している。利点として、プラント建設から電力小売りまで一貫して提供できることや、東京湾に面した製油所跡地の利用についても「大型船が停泊でき送電網もある」などと説明している。

 バイオマス発電は火力発電やLNG発電に比べ能力は小さいが「従来、木材を廃材として焼却処分していたことを考慮すると、世界的に見て二酸化炭素の削減に十分寄与できる」と同社幹部は強調する。「FITが追い風なのは間違いない」(同社幹部)として、新エネルギーの安定供給と売電拡大を図っていくという。


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