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細る受注、将来像描けず 横須賀、中小が後継者難

経済 神奈川新聞  2015年11月09日 03:00

横須賀市内の中小企業では後継者問題も経営者の頭を悩ませている=同市内川の久里浜工業団地
横須賀市内の中小企業では後継者問題も経営者の頭を悩ませている=同市内川の久里浜工業団地

 横須賀市内の中小企業経営者が後継者問題に頭を悩ませている。特に造船や自動車といった基幹産業では大手製造業の拠点流出などで受注が細り、将来の展望が描けないままの事業承継をためらいがちな事情もある。地元企業を対象にした調査結果でも、およそ半数が後継者を「未定」と回答し、1割強では廃業を検討しているなど、厳しい現状が浮き彫りとなった。

 「横須賀まで仕事が回ってこない。川崎や相模原で止まってしまう」。敷地面積約47ヘクタールに中小の製造、建設業など約160社がひしめく久里浜工業団地(横須賀市内川)。経営者からは、そんな嘆き節が聞こえてくる。

 市内の製造業は、かつて船舶や自動車のボディーなど「薄物」の板金需要で潤った。だが今は大手メーカーや関連会社の相次ぐ撤退を受けて仕事が絞られ、コストのかかる地域外からの受注競争でも苦戦。人件費を抑えようと、家族のみが休日返上で稼働する事業所もあるという。

 市内の約90社が加盟する横須賀工業振興協同組合では昨年、3社が「閉鎖」。いずれも資金繰りではなく後継者不足が理由だった。石渡忠孝事務局長は「父親のつらい背中を見せられた子供は継ぎにくいし、親も簡単には後を任せられない」と事情を代弁する。

 市の工業統計調査によると、市内の製造業従事者は2013年現在で1万1757人。03年には1万8596人だったが、10年間で3割以上落ち込んだ計算だ。08年のリーマン・ショック以降、従業員数を絞らざるを得ない事業所も多い。次代を担う20、30代の社員が少ないことも、身内以外への承継という選択肢を狭める一因だ。

 同団地内でシャフト製造などを手掛ける三貴の新井宗徳取締役は「中小企業の衰退はやがて市内経済や市民生活にも影響する」と指摘。「新規事業への初期投資を補助したり、大企業向けにアピールする場を設けたりと、行政の協力が不可欠」と訴えている。

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