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海女のかっちゃん
【ひとすじ】海の文化継承願い(下)

社会 神奈川新聞  2015年11月08日 11:05

現役時代に使い込んだウエットスーツを抱える小沢勝子さん(写真左)。足元には海女の道具が並ぶ。右は夫で元漁師の重夫さん=真鶴町真鶴
現役時代に使い込んだウエットスーツを抱える小沢勝子さん(写真左)。足元には海女の道具が並ぶ。右は夫で元漁師の重夫さん=真鶴町真鶴

 真鶴の海女の姿は地域に暮らす人々の記憶にいまも残る。海女たちは地域の日常に溶け込み、支えられながら生きてきた。

 半世紀にわたり海女として生きた小沢勝子さん(77)には3人の娘がいる。

 夫の重夫さん(83)も漁師で、夕方まで家を空ける毎日。一家の子育てを支えたのは地域の人々だった。子どもたちは近所の青果店の配達トラックに乗って保育園から帰宅し、商店の店員たちが見守る中、友人と遊びに出掛けていった。

 勝子さんは日ごろのお礼とあいさつ代わりに新鮮な海の幸を近所に配った。

 「サザエやウニはここでも人気でねえ」

 地域の人は皆顔見知りだった。同居する長女夫婦も共働きのため、4人の孫もまた、学校から帰ると勝子さんが捕ってきた焼きアワビをおやつ代わりにかじりながら、町に飛び出していった。

 「頼まなくても自然に子どもを見てもらって、うちも『いつも世話になっているから、誰々さんにウニやるべえ』ってなる。みんなに助けられてここまで来られた」

 真鶴の町と人が助けてくれた。孫たちが巣立った今も、感謝の思いは尽きない。

 

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